皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
ひとくちに「ロングライド」と言いましても、宿泊を伴わない日帰り、休憩がほとんど無いブルベなどから、複数日のツーリングまで、様々な形態があります。
前提
まず、リチウムイオン電池を制御するモバイルバッテリは、確かな技術力が必要な精密機器でありまして、大変失礼ながら新興ブランドのモバイルバッテリは本稿での考慮の対象外と致します。
確かに、Amazonさんなどでも、新興ブランドのバッテリが格安に販売されております。
競合製品と比べて異様に大容量であったり、複数のギミックが搭載されて、一見すると便利そうであったりする商品です。
しかし、これらの製品は実測してみると容量が表示よりも遥かに少ない(60%程度などザラ)、入力、出力も表示と大幅に異なる、安全装置が劣悪ですぐにバッテリが劣化する、膨張するという傾向が顕著です。
(ラッコ店長も無名ブランドのモバイルバッテリを何台も壊してきました。酷いものになると、数回の使用で公称値の1/5程度の容量しか蓄電できなくなりました。また、真夏のライド一回だけの使用で、バッテリが膨れて使用不能になったものもあります。)
そもそも、同じような工業製品を作って、ブランド、売り手によって半額、1/3といった値段で製造できる訳がありません。
スポーツバイクと同様で、相場と比べて極端にお安い製品は著しく素材、製造コスト、安全管理コストを削っている安物に過ぎません。
それらの安物は、すぐに壊れる、充電できなくなる、お餅のようにぷくーーーっと膨れて爆発のおそれすらある、といった危険性を伴った欠陥品です。
モバイルバッテリに負荷を与えるのは、振動、熱、高負荷での使用でありますが、残念ながらロードバイクを使ったロングツーリングの場合、全ての悪条件が重なります。
モバイルバッテリは基本的に価格に比例して安全性、信頼性、耐久度が上がるため、安価な製品はロングツーリングにはおよそ向かないとお考えください。
日帰り ロングライド
お話がそれましたが、まず、宿泊を伴わない日帰りの場合で、夜までスマートフォンのバッテリが持たない、ということであればモバイルバッテリを持ち歩くのが良いでしょう。
どの程度バッテリを酷使するかにもよりますが、5,000mAh程度のモバイルバッテリがあれば、スマートフォンを30-40%は充電することができるでしょう。
私の個人的な経験では、これだけあれば日帰りロングライドは十分こなせる、と推察します。
また、日帰りロングライドの特長としては、時間の限り走ろう、観光しようという要望が強いと思われ、あまり定点にとどまっている時間が無い、休憩をしている時間が無い、と推察します。
そのため、モバイルバッテリに求められる性能は、すぐにスマートフォンを充電できる簡便さ、さらに出力が大きいこと、が第一義と考えます。
第二義としては、日帰りということですから、荷物は最小限に留める、というスタイルと思われ、可能な限り小型、軽量なものが優れているでしょう。
これらの要件を満たすものとして、Anker Nano Power Bank (22.5W, Built-In USB-C Connector) があります。
まず、出力が最大22.5Wで、100円ショップなどで販売されているモバイルバッテリは出力が10W前後ですから、その倍以上の出力で充電することが可能です。
短時間の休憩時にさっと充電して、スマートフォンの充電を5%でも10%でも回復させる、という使い方ができるでしょう。
さらに優れているのは、ケーブルが不要、ということです。
(ケーブルを使って充電することも可能です。最大、同時に2台充電が可能です。)
毎回モバイルバッテリにケーブルをつなげて、それをスマートフォンにつなげてと、時間がかかり、煩雑です。
もちろん、ケーブルを持ち歩く手間、スペースも必要になるでしょう。
Anker Nano Power Bankであれば、バッテリをUSB-Cコネクタに差し込むだけで良いため、即応性、コンパクト性を重視する日帰りのロングツーリングにはぴったりなのです。
ブルベ
次に、ブルベで求められるモバイルバッテリは、まず第一に容量です。
600kmの場合、ほとんどの方は2-3時間は宿泊施設で休憩をするでしょう。
宿泊施設のコンセントで、だいぶんバッテリを回復させることができます。
しかし、300km-400kmの場合、無休憩で走り続けるため、大容量モバイルバッテリが必要になります。
スマートフォン、サイクルコンピューター、複数台のライトを充電する必要があります。
そして、日帰りロングライドと異なるのは、フロントライト、リアライトも酷使するため、スマートフォンだけでなく、ライトなどを複数台、同時に充電する必要があります。
電子機器が複数台あるため、モバイルバッテリ容量はおおむね、20,000mAh以上が良いでしょう。
Anker Power Bank (20000mAh, 30W)であれば、20,000mAhの大容量で、さらに同時に3台充電可能です。
出力も最大30Wと十二分に高速です。
ケーブルを1本、ストラップ代わりに使うことができる、というのも面白いギミックでしょう。
複数日のロングツーリング
最後に、複数日のロングツーリングの場合、実はモバイルバッテリの依存度は下がります。
複数日なのだから、たくさんのモバイルバッテリが必要なのでは!?とお思いかもしれません。
しかし、実は違います。
複数日のロングツーリングの場合、いかにモバイルバッテリを消耗させずに進むか、が重要なのです。
現代の電子機器で最もバッテリを消耗するのはスマートフォンと思われます。
まず、スマートフォンの充電はモバイルバッテリでしないことが重要です。
モバイルバッテリで充電するのではなく、コンビニエンスストアのイートインコーナー、道の駅のコンセントなど、コンセントが利用できる環境で短時間だけ充電をするのです。
そのためには、60W以上の急速充電に対応したスマートフォンを使うと良いでしょう。
60Wであれば、20分で50%くらい充電可能です。
さらに120W以上の充電が可能であれば、10分でも50%以上のバッテリを回復させることができます。
たった5分でも25%ほど充電できるため、ラッコ店長は120W充電に対応したスマートフォンを愛用しています。
(2017年くらいまで、ラッコ店長は熱烈なiPhone信者で、初代iPhoneからずっと、電話はiPhoneしか使っておりませんでした。しかし、iPhoneは良くも悪くも都市部で清潔な生活をおくる際のデバイスであって、荒っぽい冒険、サバイバルには向いていないと考え、以後はandroidさんに宗旨替えしております。なお、iPhoneさんの充電は2025年の現在で最大30Wです。)
Xiaomi Redmi Note 13 Pro+ 5G 8+256GBというモデルです。
スマートフォン自体はモバイルバッテリから充電しないとしても、急速充電に対応していない通常のデバイス、つまりライト、サイクルコンピューターなどを優先的にモバイルバッテリで充電します。
なお、複数日のロングツーリングといっても、頻繁にお宿に泊まるスタイルであれば、どのようなモバイルバッテリでもそれほどの差異は無いと考えます。
ほとんど宿営しないロングツーリングの場合には、日々の生活はテントで行うことになります。
スマートフォン以外はテント内でのんびりと充電できれば十分なのです。
つまり、モバイルバッテリからの出力速度はそれほど重要ではありません。
しかし、いざモバイルバッテリがカラになった場合、可能であれば短時間に回復できると助かるでしょう。
つまり、モバイルバッテリへの入力速度が高いモデルが望ましいです。
また、ロングツーリング時には荷物が多くなりがちです。
そこで、それぞれのアイテムをスリム化、軽量化することで全体の荷物が大幅に軽くなるのです。
このように、モバイルバッテリ1点といえども、可能な限り軽量なモデルが良いでしょう。
これらの要件を満たすものとして、Anker Power Bank (10000mAh, 22.5W)をおすすめします。
ラッコ店長もロングツーリング時には、このバッテリを持ち歩いています。
出力が最大22.5W、入力は20Wと、格安のモバイルバッテリに比べれば高出力です。
Anker Power Bank (20000mAh, 30W)が重量485gと、あまり軽くはないのに対して、Anker Power Bank (10000mAh, 22.5W)は200gと、ちょうどスマートフォン1台分くらいの重さです。
容量、出力、入力、重さのバランスが良いです。
本体とストラップ、USBケーブルが付属しています。
入力はUSB-C 2系統、出力はUSB-C 2系統、USB-A 1系統で合計3系統です。
付属のUSBケーブルをストラップ代わりに使うことができます。
切れないの!?と少しちゅうちょしましたが、Ankerの公式コメントでは、耐荷重5kgとのことで、バッテリをぶら下げるだけであれば平気なのでしょう。
出荷時は27%でしたが、充電すると、すぐに数字がもりもり上がっていきました。
廉価版のモバイルバッテリではバッテリ残量が4段階のLED表示だけ、というものも多いですが、1%刻みで表示されるのはありがたいです。
2025年5月では、在庫切れのようで、後継商品が開発されています。
Anker Zolo Power Bank (10000mAh, 30W, Built-In USB-Cケーブル) です。
こちらは出力が30Wとさらに上がっております。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。
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