皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
ロングツーリングで恐ろしいものについて、取り上げます。
第一回目は、パンクです。
パンクとは
まず、そもそもパンクとは、英語のpuncture 突き刺さる、貫通するの意に由来する言葉と思われれますが、自転車業界では空気漏れをすることを指します。
そして、空気漏れをする原因は、チューブに穴が開いていることがほとんどです。
(例外的に、バルブが緩んでいる、バルブの各種パーツが損耗して空気漏れをしている、という場合もあります)
本稿では、まずチューブ入りタイヤについて述べ、次にチューブレスタイヤについて述べます。
チューブ入りタイヤ、タイヤに穴が開く サイドカット
タイヤに穴が開いている場合も、原語ではpunctureに当たると思われますが、自転車業界では、そのような場合にはパンクとは称しません。
タイヤに穴が開いていますね、とそのままの表現をします。
ロングツーリングで起きやすいのは、チューブに穴が開くパンクです。
もちろん、タイヤに穴が開くことも無いわけではありません。
しかし、穴が開くのはよほど損耗が進んでいるタイヤの場合で、そこまで損耗が進んでいるのであれば、出発前に交換しておけば良いだけのことです。
(海外ツーリングなどで、3000km以上補給できない、といった超例外的な場合を除きます)
しかし、新品であってもサイドカットと言って、タイヤの横に穴が空く、裂けてしまう場合があります。
道の縁石に擦ってしまったなど、ロードバイクでもサイドカットすることがあります。
これは重症ですが、対処できないわけではありません。
タイヤブート、というもので、亀裂が入った箇所の裏から当てて、亀裂の拡大を防ぎます。
また、亀裂にチューブが入り込んで、さらなるパンクを防いでくれます。
万一に備えて、ロングツーリングの際は、タイヤブートが1-2枚はあると安心です。
タイヤブートを使った場合、あくまでも応急処置ですから、7気圧とか、思いっきり高気圧を入れてはいけません。
リム打ちしない程度の低気圧にとどめておいたほうが良いでしょう。
リム打ちのパンク
チューブに穴が空く原因として、リム打ちパンクというものがあります。
ホイールの外周部、リムにチューブが叩きつけられることで、リムに沿った、2列の穴が開くのです。
これは空気圧が低い、荷物を積みすぎていることが原因です。
ロングツーリングの場合、とくに荷物重量が増えることがありますから、気圧はタイヤの限界近くまで上げて良いでしょう。
また、仮に空気圧が低かったとしても、勢いよく段差に乗り上げない、乗り上げるときはフロントタイヤの荷重を抜いてから、フロントを着地させ、リアタイヤが乗り上げるときはリアタイヤの荷重を抜く、とすれば被害を最小限にすることが可能です。
ロードバイクにおける、前後の荷重変動は基本的なスキルでありますから、時間のあるときにでも習得しておいてください。
リム打ちパンクをした場合、穴が開くというよりもタイヤが裂ける、という状態になります。
穴は大きく、2個所の穴が開いているため、パッチによる修理は止めた方が良いでしょう。
チューブ交換を強くおすすめします。
どうしても予備のチューブが無い、という場合は、2つのパッチを使って穴を塞いでください。
マルニ(Maruni) K-580 超薄型パッチRR 30枚入りが使いやすいでしょう。
ゴム糊はついてきませんから、別途必要です。
出先で使うのであれば、コンパクトなもので良いでしょう。
なお、ゴム糊は航空機に積載することはできません。
ご注意ください。
なお、ラッコ店長が業務で使っているものは、同じマルニ製ですが、以下のものです。
ゴム糊はハケ付きのものが使いやすいです。
(しかし、容器が大きいので、携行には向きません)
パッチ修理をするのは、ほとんどいわゆるママチャリだけであるため、耐久度重視で、肉厚のものが良いです。
チューブに穴が開く パンク
チューブに穴が開く、通常のパンクについて述べます。
これは小石、金属片、ガラス片などがタイヤに突き刺さり、それがタイヤを貫通してチューブを傷つけて空気漏れを起こさせます。
小さな穴であっても、スポーツバイクの場合、充填する空気圧が高いため、パッチが剥がれやすく、チューブ交換をしたほうが無難です。
作業時間も短く済むため、出先ではまずチューブ交換で対応すべきでしょう。
チューブ交換をする際には、タイヤにガラス片等が残存していないか、入念に調べてください。
タイヤの裏側、表側を触りながら、また目視して、異物が残っていないか確認します。
ここで異物が残ったまま新しいチューブを装着しても、またすぐに新しいチューブに穴が開くだけですから、確認は入念に行います。
出先にもかかわらず、パッチ修理をしなければならない状況、というものはあります。
交換するチューブが無い、使い切ってしまった、という場合です。
その場合、パッチ修理をすることになりますが、簡易的なパッチ修理で対応可能か、まず試すのが良いでしょう。
パナレーサーのイージーパッチです。
これはゴム糊が不要というもので、航空機にも積載できるのが利点です。
ラッコ店長も、予備チューブの他に、イージーパッチを常に持ち歩いています。
タイヤを外す際には、タイヤレバーが必要です。
タイヤレバーは薄く、頑丈な、パナレーサーのものが使いやすいでしょう。
新しいチューブを装填する際は、チューブがタイヤのビードに挟まない(噛むと表現することもあります)ように、厳重に注意します。
とくに、まだまだ経験の浅い方ですと、バルブの周りのチューブがタイヤビードに挟まっていたり、タイヤそのものがビードにうまく嵌まっていない状態で空気を充填してしまうことがあります。
そのような場合に、空気を充填すると、タイヤが通常とは異なる膨れ方、部分的に妙に膨れる、という状態になり、そしてパンクします。
ぱーーーん!!と風船を割ったようなすごい音がして、チューブが破裂します。
文字通り、バーストと言われる現象です。
こうなると、せっかく充填した新しいチューブは使い物になりません。
可能であれば、お家でタイヤの脱着、チューブの装填は何回か練習をして、確実に噛まないように、スキルを習得しておくべきでしょう。
パンク修理はすべて専門店任せ。。。でもありがたいことではありますが、ロングツーリング時には、やや心もとないと思われます。
チューブレスタイヤ、チューブレスレディタイヤ パンクの場合
チューブレスタイヤ、チューブレスレディタイヤでもパンクすることはあります。
出先でパンクしてしまった場合、タイヤを外して、中にチューブを入れて対応します。
チューブレスタイヤ、チューブレスレディタイヤはビードが硬く、タイヤの脱着に難儀しますが、そこはなんとか装着するしかありません。
無理だ!!という場合には、最寄りの駅まで押して歩く、タクシー、ロードサービスを呼ぶしか無いでしょう。
タイヤを外してチューブを装填する場合、必ずタイヤにパンクの原因となった石、ガラス片、金属片などが残っていないか、入念にチェックしてください。
お家に戻ったら、シーラントを追加充填して、パンクが直るか様子を見る、それでも減圧が続く場合には、残念ながらタイヤを交換するしかありません。
タイヤの脱着、ビードを上げる作業、シーラント充填作業など、チューブレスタイヤ、チューブレスレディタイヤの作業は難易度が高く、コンプレッサーや専用の道具が無いと難しいことがあります。
そのため、ショップにお任せになるのが無難と思われます。
タイヤ代¥5,000から、作業費用、シーラント費用などで、一本あたり¥10,000以内、ということでしょうか。
ラッコ店長は今までの人生で、チューブレスレディタイヤは1回だけパンクしたことがあります。
チューブ入りタイヤに比べれば、圧倒的にパンクしにくい実感があります。
であれば、ツーリングもチューブレスタイヤ、チューブレスレディタイヤでよいのではないか、というと、そうでもありません。
やっかいな航空会社であれば、タイヤの空気を抜いてくれと要求されることがありまして、その場合、一度ゼロまで減圧してしまったチューブレスタイヤ、チューブレスレディタイヤのビードを再び上げることが(到着空港では)不可能なことがあります。
また、いざパンクしてしまった場合、やはり出先でチューブを装填することが難しい、シーラントでホイール、手がものすごく汚れる、といったマイナス点もあります。
ゆえに、私はロングツーリングにはチューブ入りタイヤを愛用しております。
チューブレスタイヤ、チューブレスレディタイヤは純粋なロードバイク、荷物を装着しない軽量なロードバイクにのみ、使用しております。
空気を充填する CO2ボンベ
チューブを交換した場合、次は空気を充填します。
まず、スポーツバイクでは伝統的な、CO2ボンベという方法があります。
これはとにかく荷物量を減らすことができる、という利点があります。
欠点としては、一回空気(正確には二酸化炭素)を充填するごとに¥200-300のコストがかかる、ということでしょう。
もっとも、出先でのパンク修理なぞ、頻繁にあるものではありませんから、CO2ボンベでも支障はない、と思われます。
また、使い方がやや特殊で、慣れないと数本のCO2ボンベを無駄遣いしてしまうため、念の為、つねに複数本を持ち歩いたほうが良いでしょう。
ラッコ店長はこのTNIのものを愛用しています。
なお、国内の飛行機輪行する場合、CO2ボンベは28g以下のもの4つ以内であれば、手荷物、機内預かりともに可能です。
4本あれば、実用上は困りません。
海外の航空会社の場合は、各社ともに規定が異なるため、お調べになるのが良いでしょう。
空気を充填する 携帯ポンプ
ロングツーリングの場合、CO2ボンベでは不安になることもあります。
CO2ボンベは一気に二酸化炭素を充填するため(2秒もかかりません)、万一チューブが噛んでいる場合、一瞬でバーストします。
また、疲労や勘違いでCO2ボンベを無駄遣いしてしまうこともあり、ラッコ店長は手動の空気入れも併用しています。
ロードバイク用と謳った空気入れはたくさんありますが、結局、コンパクトすぎるものは役に立ちません。
例えば、以下のような空気入れです。
私は特段、下記の商品を悪玉扱いするわけではありませんが、ロングツーリングではおよそ役に立ちません。
このくらいコンパクトな空気入れで、例えば7気圧まで気圧を上げる場合、どのくらいポンピングをしなければならないかご存知ですか。
200-400回です。
かかる時間は5-10分。
空気を入れるだけで、そのくらいの時間と体力が必要です。
ロングツーリングの場合、真夏の炎天下、野ざらしの場所でパンク修理をしなければならない、という状況もあります。
そのようなときに、この種のポンプでは、体力を消耗しすぎて、ものの役に立たないのです。
また、高気圧入ります、と宣伝文句では書いてありますが、文字通り120psiまで入れようとしたら、人力では不可能なレベルの筋力が必要になります。
無理やりチカラを入れようとすれば、ぐらぐらと揺れる本体につられてバルブも揺れるため、バルブが痛み、あるいは折れて、最終的には、チューブが壊れてしまうでしょう。
(ラッコ店長は実際にコンパクトすぎる空気入れで、チューブを壊したことがあります)
結局、携帯ポンプには、ある程度の大きさが必要なのです。
試行錯誤を経て、以下のポンプが最適と考えるようになりました。
GIYO(ジーヨ) GIYO GM-821 アルミミニフロアポンプ携帯用です。
ポンプ本体の長さがあるため、空気を充填しやすいこと
足で踏むための場所があり、チカラを入れやすいこと
ハンドルをT字に変形させることができ、これまたチカラを入れやすいこと
短いながらホースが内蔵されており、ポンピング時の揺れ、衝撃を緩和してくれるため、バルブを傷めにくいこと
簡易的ながら空気圧計が内蔵されており、とても便利であること
などの理由からです。
このポンプが傑作と言って良いです。
空気を充填する 電動ポンプ
最後に、最近では電動空気入れ、という選択肢もあります。
まだまだ新興市場ではありますが、様々なものが販売されています。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。
コメント