皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
本記事は


の続きです。
与那国島は、日本の最西端がある島です。
小学校や中学校のお勉強で、暗記した方も多いのではないでしょうか。
私も、最西端というキーワード以外に何も知らない!!(大変失礼)という状態でございましたが、実際に訪れた与那国島は、とても魅力的な島でした。
ロードバイクにとって、与那国島のワーストシーズン
石垣島の稿でも述べましたように、冬の1-2月がロードバイクにとってワーストシーズンと考えます。
北西風が吹き荒れ、さらに一日中雨で、ろくなことがないでしょう。
また、フェリーの欠航率が飛躍的に高くなり、フェリーを使おうとする場合、スケジュール通りの旅行は不可能に近いです。
これに対して、冬以外であればそれぞれの魅力が味わえるでしょう。
個人的には梅雨明けし、台風が少ない6月か、台風シーズンの終わった11月がよろしいと考えます。
どのように行くか
与那国島攻略で、一番重要と思われるのは、どのように行くか、です。
与那国島への行き方
1 那覇空港から与那国空港まで飛行機
2 新石垣空港から与那国空港まで飛行機
3 石垣港から久部良港(与那国島)までフェリー
という方法があります。
飛行機、フェリーともに、東京からの直行便はありません。
交通費
上記1と2の航空便は琉球エアコミューターさん(JALさんの連結子会社)が就航させています。
航空券の予約はJALサイトから行います。
航空券代は那覇発で、¥20,000くらいから、直前でも¥35,000ほどです。
新石垣空港発は¥7,000くらいから、直前でも¥15,000ほどです。
僻地(失礼)の航空券というのは、極端に安くなることもないし、べらぼうに高い、というわけでもないのです。
しかし!!
まれに開催しているJALの特売セール時期を上手く使えば、3割くらいお安く入手可能です。
(それでもメジャー路線と違って普段の数分の一といった、格安にはなりません)
フェリーの場合、福山海運さんのフェリーよなくにを使います。
乗船券の購入場所、出港場所は石垣港の埠頭であるため、ご注意ください。
具志堅用高さんの銅像がある、ユーグレナ石垣港離島ターミナル側ではありません。
片道¥3,610
往復¥6,860 です。
自転車を完成車状態のまま乗せる場合は積載料金として¥1,200です。
輪行袋に収納すれば、手荷物として、無料で積載可能です。
(ラッコ店長は輪行状態にして乗せました。
なぜならそのほうが手続きが簡便だからです。
完成車状態のまま乗せるとなると、専用の積載口から乗せるため、待ち時間があってかえって面倒だからです。
船内は広大な空間があるため、邪魔にならなければ基本的にはどこに置いていても文句は言われません。
しかし、場所によっては潮がかかりますといった注意書きがなされている箇所があります。
もちろん、船内には、専用の荷物置き場もあります。)
2025年7月現在、決済方法は現金のみです。
事前の予約はできません。
当日、有人の窓口に行って乗船券を購入します。
乗れなかったらどうするの!?とご心配になる方のお気持ちはわかります。
しかし、フェリーは膨大な積載量がありまして、乗れないということはまず無い、と申して良いです。
しかし!!
フェリーよなくにはありがたいことに、午前8時、窓口が開くとすぐに乗船可能なため、早めに港に行って、乗船券を購入、さっさと乗船してしまうのが良いでしょう。
出港は午前10時です。
便はこの時間しかないため、他に選択の余地はありません。
なお、福山海運のサイトを拝見しても、必要な情報は載っていません。
何じゃそれ、と思いましたが、私は直接電話して確認しました。
窓口の張り紙を撮影しておきましたので、ご参考にどうぞ。
飛行機とフェリーのどちらが良いか
まず、日程、時間に余裕がない場合は、飛行機が無難でしょう。
飛行機は那覇発であれば毎日朝夕の2便、石垣島発であれば毎日3便も!!就航しています。
さらに、飛行機はよほどの荒天でもない限り、欠便になりません。
フェリーの場合、石垣島発は火曜日、金曜日の2便のみです。
前述しましたように、午前10時発の便しかありません。
なお、与那国島発のフェリーは水曜日、土曜日のみです。
時間は同じく午前10時出港。
(この仕組みは、運営会社にはよくできています。
実はフェリーよなくにの主力商品は乗客ではなく、貨物なのです。
それぞれの島を出港して約4-5時間後、午後3時頃に目的地に到着するのですが、到着後、貨物の荷揚げ、積載をします。そうこうしているうちに夜になって、フェリーよなくにはそのまま寄港先で一晩を過ごします。
そして、次の日の朝、追加の貨物を積んで、さらに乗客を乗せて帰るわけです。
日曜日、月曜日は石垣島の母港でお休みします。
貨物が主力であるが故に、他の石垣島フェリーが石垣港北側のユーグレナターミナルを使うのに対して、フェリーよなくにのみ、南側、貨物船乗り場を使うのだと思われます。)
余談が過ぎましたが、石垣島から与那国島への海路は外洋ということもあり、日本内海の観光フェリーとは比べ物にならないほど揺れます。
特に北西風が吹き荒れる冬場は地獄で、与那国島航路は日本一のゲ◯フェリーなどと呼ばれているのです。

船内は嘔吐が前提となっています。

嘔吐専用台

デッキの洗面台も広々として、万全の体制
ラッコ店長のおすすめ 実は往復フェリー
ここまでさんざんフェリーの悪口(失礼)を申しておりました。
しかし!!
旅行日程に余裕があるのであれば、往復フェリーを強くおすすめします。
料金が安い、というのもありますが、フェリーよなくには追加料金なしで寝台を利用可能なのです。
そして、この寝台で横になっている時間が実に休養となるのです。
そもそも、与那国島をロードバイクで走ろうなどというのは、相当なマニア。
日々の旅程も難易度が高い、地獄のような設定にしてあることでしょう。
また、与那国島を含めた八重山諸島は、はたとえ春、秋であったとしても暑い暑い。
八重山諸島に滞在しているだけで暑くて体力を消耗させていきます。
船内は快適に空調が効いておりまして(むしろ寒いくらいです)、寝台には寝具の他、専用の充電口もあるため、各種充電が可能です。
このように、フェリーよなくにの4-5時間の休息が干天の慈雨のように休まります。

寝台。追加料金はなし。簡単なカーテンがあります。

枕元には専用のライト、充電口があり、快適です。
また、冬場、強烈に揺れるのは事実ですが、以下の記事でも申し上げましたように、そもそも、冬場は沖縄、八重山諸島にロードバイク出行くべきではないのです。
一日中、風速5メートル以上の北西風、雨に打ち付けられて、とてもではないですが、ロードバイクで外出する気にならないでしょう。

さらに、海が荒れていると欠航が頻発し、スケジュール通りの旅程などこなせなくなります。
上述のとおり、週に2便しか就航していないのですから、一度欠航すると、数日は予定が延びます。
長大な休みが確保できているのであれば良いですが、皆様、そうもいかないでしょう。
故に、海が荒れている時期には与那国島に訪れるべきではなく、海が荒れているというのは、そもそも問題とならないのです。
また、仮に船が揺れたとしても、体を横たえればダメージの80%は軽減できます。
(皆様ご存知の通り、人類は揺れを耳の奥の三半規管で感知します。
日常生活で前後、左右の揺れというものは頻繁に体験しておりますが、下向きのプラスG、さらには上向きのマイナスGはほとんど体験しないため、上下動が続くと体の具合が悪くなってしまうのです。
そして、仰向きになると上下動は三半規管にとっては前後動に変換され、横向きになると上下動は左右動に変換されます。
船は前後動をほとんどしないため、船の進行方向と平行に体を横たえれば船の揺れを前後動と左右動に変換できる、ダメージの80%は軽減できると申し上げたゆえんです。)
天気が良ければ美しい海、港の様子を見ることができます。
また、帰路は日本最西端の西崎(いりざき)岬のさらに西を進みまして、ワクワクすること間違いなしです。
与那国島の注意点
1 キャンプ禁止かつキャンプ場無し
石垣島の稿でも述べましたが、与那国島も野営、キャンプ禁止です。
そして、キャンプ場はただの一つもありません。
つまり、合法的にキャンプすることはできません。
そのため、事前にお宿を予約しておくことを強くおすすめします。
島内の宿泊施設は数が少なく、飛び入りの宿泊はできないことがあります。
更に、夏と言ったシーズン中は、ことごとく満室、ゲストハウスしか空いていない、となります。
また、宿泊施設は離島価格とでもいうべき、割高感がありますが、お覚悟下さい。
2 コンビニエンスストア無し
当然ながら、スーパーはありません。
コンビニエンスストアもありません。
個人商店で食材を調達します。
フェリーが着岸する港そばの大朝(おおとも)商店さんなどが代表的でしょう。
なお、google mapsのクチコミでは、辛口の評価もあるようですが、都心部であるようなお客さんをうやうやしく扱うのが商売として当然、などと思わない方が良いです。
また、都市部の価値観が絶対などと思わないことです。
3 現金決済が基本
与那国島に限らず、石垣島以外の八重山諸島は、まだまだ現金決済が基本です。
タッチ決済しか方法がない、というのは無謀ですから、日本円をご用意ください。
どうしても現金が足りなくなった、という場合、与那国郵便局か農協のATMを使います。
与那国島の地勢、地形
与那国島はサンゴ礁の隆起によって出来たしまではなく、地殻変動によって海底が盛り上がって出来た島です。
そのため、島の周囲に広大なビーチが存在する。。。というわけではありません。
また、断崖絶壁の箇所も多いです。
島の中央部には、立派な山がありまして、標高200mほどのヒルクライムとなります。
南の島に訪れた!!というよりも、絶海の孤島、岩礁に訪れた、という印象を受けます。
与那国島は主要な観光箇所を抑えて一周すると、約26km、獲得標高300mほどになります。
距離の割には、獲得標高があります。
ロードバイクで訪れると、それなりに走る必要があります。
また、島の中央部はうっそうとした森が茂っておりまして、車通りも少なく、一気に魔界に突入しかたのような、異世界感があります。
上り下りがかなりあるため、中央部をすべて攻略するのは難儀するでしょう。
与那国島のモデルコース
1 往復フェリー
前述しましたように、個人的には往復フェリーの手段をおすすめします。
火曜日の朝10時に石垣島を出港して、14時ごろに与那国島に到着します。
日没まで4-5時間はあるでしょうから、その間に日本最西端、島内一周を済ませます。
翌水曜日は早めに起床して、島内中央部を少し巡ってくるのが良いでしょう。
そして、朝10時に与那国島を出港して、石垣島に向かいます。
2 行きはフェリー、帰りは飛行機
この方法はリスクを可能な限り低減させ、それでいてワクワクする、といういいとこ取りの方法です。
前述しましたように、与那国島行きのフェリーは欠航率が低くはないです。
ラッコ店長も台風というわけではないのに、熱帯低気圧の影響で、夏場に1度、フェリーが欠航したことがあります。
仮にフェリーが欠航したとしても、石垣島にとどまっていれば他に観光をしたり、周遊をしたり、いくらでも時間の使いようはあります。
そして、万一!!、欠航続きで時間切れとなっても、乗船券は無料で払い戻しされますし、今回は石垣島だけになったね、ということで、それはそれで良いでしょう。
行きにうまくフェリーに乗って、帰りに天候が急変、フェリーが欠航になった、という場合でも、飛行機であればまず普通に飛べます。
一番恐ろしいのは、与那国島で帰ることもできず、孤立してしまうことです。
帰りの便を飛行機にしておけば、欠航リスクをフェリーよりは遥かに低くできます。
さらに、帰りが飛行機であれば、3-4便から選ぶことが可能です。
フェリーのように、早めの便で帰ることもできますし、遅めの便を選べば島内の滞在時間を増やすことができます。
また、旅行というのは、えてして行きは盛り上がるが、帰りは疲れてぐったり、ということがあります。
体力のある行きはフェリーの大航海でワクワクして頂き、帰りは飛行機でサラッと帰る。
これがよろしいでしょう。
3 往復飛行機
時間に余裕がないときは、往復飛行機を強くおすすめします。
外洋を航海するフェリーよなくにを甘く見てはいけません。
荒天時は、かなりの確率で欠航します。
また、欠航しなくても、大揺れ、未体験の揺れにぐったりすること間違いなしです。
石垣島を観光したいのであれば、石垣島発でも良いですし、那覇空港まではスカイマークエアラインズが格安の航空券を頻繁に販売しておりますから、那覇空港から直接与那国空港に行くのも良いでしょう。
なお、離島の空港ではよくあることですが、与那国空港も小さな空港で、施設が充実しているとは言い難いです。
ロードバイクで巡る、与那国島のおすすめスポット
1 日本最西端の碑
何はともあれ、与那国島といえば、日本最西端でしょう。
フェリー乗り場から、時計回りにぐるっと岬を周り、40mほどヒルクライムをした先にあります。
ここを極めれば、日本の端っこの1つをクリアしたことになります。
なお、周辺には、新しいお手洗い、東屋もあり、ゆっくりと休憩することができます。
与那国島は全域がキャンプ禁止ですが、ここにもキャンプをしないでください、と明示してあります。
日本最西端の地で夕日を見る、というのも定番でありますが、おすすめです。
なお、岬の周囲は木々で覆われておりまして、実は、この最西端ポイントから、海に沈む夕日を見ることはできません。
海に沈む夕日にこだわるのであれば、フェリー乗り場周辺がよろしいでしょう。
2 東崎(あがりざき)灯台
いきなりてお話がそれますが、日本最西端の碑があるのは、西崎岬、にしざきみさきではなく、いりざきみさきと発音します。
そして、東崎灯台はあがりざきとうだい、です。
ここまで見て、ピンと来た方は鋭いです。
東があがり、西がいり、つまり、これは太陽が上がる方向、沈む方向という意味だと思われます。
お話をもとに戻しまして、東崎灯台周辺には、与那国馬という日本古来種が生活しています。
牧畜目的ではなく、そのまま放置されている、野生のお馬さんです。
(正確には、観光目的でお馬さんを名物にしよう、という意図で放牧されているのだと思われます)
なお、与那国島に限らず、このような放牧をしている地域でしばしばあることですが、道路に家畜逃走防止用の加工がされている道があります。
道にとんでもない穴があいていて、お馬さん、牛さんなどのひずめがはまって逃げられないようにしてあるのです。
クルマにはなんともない加工と思われますが、ロードバイクにとっては凄まじい地雷原となりうるため、通行には十二分に気をつけてください。
クラッシュ、パンクのおそれがありますから、ここは車体から降りて、徒歩で通過するのが吉です。
3 六畳ビーチ
与那国島らしい、断崖絶壁の絶景です。
ここは訪れる価値があると思われます。
入口がわかりにくく、コーンが立ててあります。
(路面が崩壊しつつありますから、ロードバイクで通行する際はお気をつけください。)
藪の中を進んでいくと、ぱっと視界がひらけて、断崖があります。
もちろん、手すりもガードレールもありませんから、ご自身の判断、責任でお進みください。
4 Dr.コトー診療所 ロケ地
著名な場所です。
お手洗いも極めて綺麗に整備されています。
5 南牧場
東崎灯台と同様、お馬さんが放牧されています。
このあたりでは、一般公道までお馬さんが進出していることがあります。
通行には十分お気をつけください。
また、人馴れしているため、ロードバイクが近づいても逃げるどころか、むしろ近寄ってくることがあります。
あまりおすすめしない場所
1 満田原森林公園
島の中央部にあります。
ヒルクライムを結構こなさなければなりません。
また、クルマであれば多少の環境でも耐えられるかもしれませんが、ロードバイクの場合、生身の肉体をさらけ出しているため、環境の変化に敏感です。
回りくどい表現になりましたが、このあたりはクルマの通りも少なく、暗く、うっそうとして、虫さんがとても多いです。
密林ばかりで風景も美しいとは言えず、サイクルウェアでこのような密林に入る気にもならずと、ロードバイク乗りにはあまり向いていません。
ヒルクライムの楽しさ、という点でもどうかな。。。と思われます。
個人的には与那国島の中央部は避けても良いコースと考えます。
2 二畳ビーチ
場所がわかりにくいです。
ロードバイクから降りて無理に行ったとしても、それほど見事ではないかも。。。しれません。
SPDシューズ、SPD SLシューズの場合、シュースがキズだらけになるでしょう。
私は慣れっこですが、ロードバイクには向いていない場所です。
激賞はしません。
それでは皆様の与那国島ツーリングが愉快なものとなることをお祈りしております。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。
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