皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
本記事は


の続きです。
皆様、ご存知の通り、日本最南端は沖ノ鳥島でありますが、一般の方が来訪することはできません。
波照間島は、一般の方が来訪できる有人島としては日本最南端の島です。
ロードバイク乗りとしては、有人島としては最南端の場所を走った、という称号(!?)に価値を見出すのです。
ロードバイクにとって、波照間島のワーストシーズン
石垣島、与那国島の稿でも述べましたように、冬の1-2月がロードバイクにとってワーストシーズンと考えます。
強烈な北西風と雨が降り続き、ロードバイクにはおよそ不向きな季節だからです。
また、海が荒れ、フェリーの欠航が続くでしょう。
石垣島、与那国島と同様、ロードバイクに向いているシーズンは、台風が少ない6月か、台風シーズンの終わった11月がよろしいと考えます。
波照間島への行き方
石垣島からのフェリーが唯一の手段です。
安栄観光さんが就航させている高速船か、貨客フェリーを使います。
乗船場所、窓口の注意点
高速船は、ユーグレナ石垣港離島ターミナルで手続き、出港します。
石垣港の北側で、頻繁に高速船(船体の高さが低いフェリー)が出入港する場所です。
待合ロビーも広く、立派です。
具志堅用高さんの銅像があるターミナルです。



これに対して、貨客フェリーを使う場合、手続き場所、出港場所はユーグレナターミナルではありせん。
まず、ユーグレナターミナルから港沿いに400メートルほど南東にある、安栄観光貨物事務所で手続きをします。
貨客フェリーは、名前の通り、貨物船の事務所で、主力商品は貨物なのです。
次に、出港場所も大多数のフェリーが使うユーグレナターミナルではなく、港南側の貨物船の埠頭を使います。
(与那国島フェリーと同じ埠頭です。)
フェリーはてるま2、というお船を使います。

波照間島フェリー利用時の注意点
安栄観光さんのサイトは、必ずしも分かりやすいとは言えず、波照間島に行くには、どのような手段があるのか、高速船と貨客フェリーでは、どのような違いがあるのか、どこから出港するのか、といった情報は提供されていません。
また、石垣島を含めた八重山諸島のフェリーには、安栄観光さん、八重山観光フェリーさん、福山海運さんなどが就航しておられます。
やや辛辣な表現になりますが、この三社の中で、もっとも使い勝手が悪いのは、唯一の波照間島行きフェリーを運行しておられる、安栄観光さんです。
まず、航路の就航状況発表が極めて遅いです。
八重山観光フェリーさんは前日に発表されるため、あれこれと対策を取りやすいです。
また、福山海運さんはフェリーよなくにのみで、冬場以外はそれほど欠航にならないのと、出港の2時間前には発表されるため、欠航したとしてもなんとかなります。
しかし、安栄観光さんは、もっとも早い便を使う場合、なんと出港の1時間前、午前7時ごろに運行予定が発表されます。
よろしいですか。
高速船にロードバイクを積載するとなれば、輪行状態にするわけです。
安栄観光さん自身が、出港30分前には、手続きを済ませておいてください、と公式サイトに書いておられるので、早めに準備をしたほうが良かろうと判断し、私は午前6時50分には、ユーグレナターミナルに到着しておりました。
そして、輪行作業をして、乗り込もうかと思ったら、本日は欠航です、乗船券はキャンセルとなりました。
という電子メールが届きました。
これでは極めて使い勝手が悪いでしょう。
超直前になるまで、行けるのかどうか分からない。
それが波照間航路なのです。
たとえ風速5メートルくらいで強風とまでは言えない天候であっても、もやがかかっていたり、波が高い場合には、すぐに欠航になります。
波照間航路は、八重山諸島を巡るフェリーの中でも、外洋に一度出るため、波の影響を受けやすいのです。
(ところで、与那国島行きフェリーも外洋に出て、さらに波照間島よりも遥かに長い距離を航海します。
しかし、与那国島行きのフェリーよりも、波照間島行きのフェリーの方が欠航率が高いのです。
これは邪推ながら、与那国島行きのフェリーよなくには大型船で多少の波にも対応できるのに対して、波照間島行きのフェリーは小型で、耐波性が低いのだと思われます。)
私は二度、波照間島行きのフェリーが欠航となりました。



やや愚痴めいたお話はこのくらいにしておいて、波照間島行きのフェリーは、安栄観光さんの高速船か、貨客フェリーが(就航していれば)選択可能です。
高速船の方が波の影響を受けにくく、船酔いをしにくい。。。というのが一般的な意見ですが、それでも私は人生初、お船で嘔吐を致しました。
(揺れには強いと自負していたのでありますが。。。)
しかも、2度、3度と。
あまりにも気分がすぐれず、100分の航海のうち、50分をお手洗いの中におりました。
さらに、座っていることもできず、お手洗いの中に倒れてしまう、という状態でした。
それほど、上下、左右の揺れが強烈で、個人的には与那国島フェリーを超える。。。と思われました。

高速船内は狭く、座席はすべて正面に向いています。

輪行状態であれば、手続き無用、無料でロードバイクの積載が可能です。

三度目の手続きで、ようやく乗船することができました。


貨客フェリーは火曜日、木曜日、土曜日、石垣島出港です。
所要時間は2時間ほどです。
高速船は毎日、3便が就航しています。
所要時間は波と風の状況により60-90分ほどです。
(前述のように私の場合は、荒天で航行速度を落としていたため、100分かかりました。)
乗船券購入方法
当日、窓口で購入してもよろしいですが、波照間島行きフェリーは窓口がとても混むことがあります。
webでの予約が可能であるため、web予約をおすすめします。
また、3%ほどですが、web予約には割引があります。
(悪天候のために、欠航となった場合、運賃は無料で払い戻しされます。)

web予約であれば、往復¥7,530です。
窓口で購入する場合、往復¥7830です。
次に、貨客フェリーの乗船券購入方法につきまして、webサイトの表記が極めて分かりにくいです。
貨客フェリーの場合、そもそも予約が不可能です。
当日、窓口に行って購入します。
前述しましたように、受付窓口はユーグレナターミナルではなく、ユーグレナターミナルから歩いて5分ほどの距離にある、安栄観光貨物事務所で購入します。
このような情報、安栄観光さんのサイトでは、皆無でありまして、まさに初見殺しです。
旅行中、現地でこの解決策に到達できた方は賢者です。
私も過去に戻れるのであれば、過去の自分にこのことを教えてあげたかったです。
貨客フェリーは荷物優先であるため、上記のように、乗船券の事前の予約はできません。
当然、web予約というシステムもありません。
また、往復割引といった仕組みもありません。
片道¥2,490、往復の場合は単純に二倍の、¥4,980となります。
高速船と貨客フェリー、どちらを使うか判断に迷いますが、不安要素を可能な限り減らすことが事前準備と思われまして、高速船のweb予約をしておいて、欠航となった場合は次善の策を考える、というのがよろしいと思われます。
なお、今までも何回も申し上げましたように、波照間島フェリーの欠航率は高いため、波照間島に行けることを前提に、以後の予定をカッチリと組み立てると、容易に破綻します。
ラッコ店長も、二度までも欠航が続くとは思わなかったため、宿泊所の予約、波照間島以外の島行きのフェリーの予約など、3件をすべてキャンセル、変更することになりました。
波照間島の注意点
1 キャンプ禁止、野営禁止
他の八重山の島々と同様、波照間島もキャンプ禁止です。
また、キャンプ場もありません。
合法的にキャンプをすることはできません。
これには悲しい理由があって、2000年10月に波照間島で野営していた島外の男性が、所持金も尽きて困窮し、ついに西浜(波照間島で最も著名なビーチ)を訪れていた女性を殺害した、という事件があったのです。
もともと、気候が温かい波照間島、石垣島、八重山諸島には、世捨て人と言いますか、率直に申して浮浪者さんが公園、ビーチに住み込んでしまう、という状況がありました。
みんなのための公園、ビーチが特定の人に占有されている、観光客さんや住民の人々に恐怖感、脅威を与える、といった島民の方々にとっては苦々しい状態が続いていたのであります。
そこに来て、この殺人事件が発生し、八重山諸島はキャンプをする人々に対して、一気に態度を硬化させ、条例によってキャンプを一律禁止、野営する人々を一掃しました。
そして、2025年の日本はまだまだキャンプブームと思われますが、八重山諸島だけは新規に作られるキャンプ場がほとんどなく、キャンプツーリングを志向する人間には、とても滞在しにくい島となってしまったのです。
2 事前に宿泊施設を確保しておく
フェリーが複数就航しているのであれば、日帰りも不可能ではありません。
日をまたぐのであれば、お宿を取っておくのが良いでしょう。
波照間島の宿泊施設は、本土、都市部にあるような宿泊施設とは趣を異にします。
宿泊施設というより、合宿所、キャンプ場といった雰囲気で、重厚なサービスは提供されません。
ラッコ店長が宿泊した西浜荘という施設は素朴ながら、店主さんが陽気、親切な方で楽しく過ごすことができました。
ただし、建物や施設の充実度は高くはない、と申し上げます。
個室のドア下が常に開いておりまして、虫さんが入り放題という、こういう生活スタイルが普通なのかな・・・?とナゾに思いました。

ドア下が常に開いています。
私が宿泊したときは一泊¥3,000でございました。
予約はヤフー、楽天トラベルなどは使えず、直接電話をして申し込みます。
気の良い女性がお出になって、予約を受け付けてくれることでしょう。

西浜荘 外観です。レンタサイクルも営んでおられます。

共有冷蔵庫

名前を書いて入れておきます。外国人の方もいらしたので、アルファベット表記にしておきました。

洗濯機もあります。

シャワールームは2基あります。しかし、あまりにも暑いので水で十分です。水そのものがぬるいです。

お部屋には寝具が用意してあります。

人生でこれ以上無い、というくらい暑い夜でした。冷房はコイン式で、一時間¥100です。
3 コンビニエンスストア無し
与那国島と同様、コンビニエンスストア、スーパーはありません。
私は事前に石垣島で最低限の食料を確保しておきました。
冷たい飲み物が欲しかったため、南共同売店という商店でいくつか購入しました。
また、素敵なお土産もあったので、ここで購入しました。




波照間島マグネット。気に入っています。
4 現金決済が基本
与那国島と同様、現金決済が基本です。
宿泊した西浜荘、お買い物をした南共同売店、ともに現金のみ使用可能でした。
現金が必要になった場合、郵便局が唯一のATMとなります。
波照間島の地勢、地形

波照間島はサンゴ礁が隆起して出来た島です。
そのため、ほぼ平坦な道が続きます。
また、一周12kmほどの島で、ちょうど自転車で走るには適度な距離です。
そのため、島内にはレンタサイクルのお店がいくつもあります。
この島に自前のロードバイクを持ち込んで走る、というのは相当なマニア、自分の自転車で走ることに特別な意義を見出している人だけがする行為でしょう。
自前の自転車を持っていくと良い点としては、レンタサイクル店が営業時間外であっても走行できる、営業時間内に返却をしなくても良い、ということでしょうか。
島を一周する楕円形の道路があり、そこから各ビーチに細い道が派生しています。
ビーチへは、うっそうとした密林を通過しなければならない箇所もあり、そこまで観光客に親切となっていません。
唯一、西浜が綺麗に開発されたビーチで、ここであれば安心してロードバイクで立ち寄ることができるでしょう。
私が波照間島を訪れたときは、荒天で欠航続きの合間であったため、海の状態が良いとは言えず、本来の美しさは出ていません。

波照間島で最も著名なビーチ、西浜です。
島中央部はサトウキビ畑が広がっています。
ロードバイクで巡る、波照間島のおすすめスポット
1 日本最南端の碑
何はともあれ、ここでしょう。
島内にはいくつもレンタサイクル店があるにもかかわらず、自前のロードバイクをわざわざ持ち込んで波照間島に来ているのは、(私の矮小な価値観だけかもしれませんが)自前の自転車で日本最南端を走破した、という称号(!?)がほしいからでしょう。
ところで、本土最南端の鹿児島県 佐多岬は陸続きのため、比較的到達しやすいですが、波照間島は到達難易度が高く、一層、称号の価値があるというものです(とやや気色悪いですが、そのように考えます)。


2 西浜
一般的な観光であれば、この西浜がもっとも著名で喜ばれる場所です。
米国の旅行会社、Tripadvisor, Inc.が2017年に、日本のベストビーチトップ10評価の中で、西浜を1位に選出しています。
3 高那崎
荒涼とした海岸が続きます。
風の強い岬ではよくある光景で、高い木が生えていません。
途中、非舗装路が続くため、ロードバイクには不向き。。。でありますが、景色はいかにも絶海の孤島に来た、という感じが致します。



それでは皆様の波照間島ツーリングが愉快なものとなることをお祈りしております。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。


コメント