皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
北海道一周に必要な装備については、以下の記事を御覧ください。

これらの装備品をどのように運べば良いでしょうか。
キャリア直乗せ型
これは、いわゆるママチャリなどでも採用されている方法で、車体にキャリア、荷台を装着して、その上にアイテム類を直接乗せる、という方法です。
以下の画像の赤い丸で囲んだ部分が、キャリアに直付けしている様子です。

長所としては、日常使いのママチャリで採用されているように、簡便で、そこそこ荷物を乗せることができる、という点です。
短所としては、ツーリングで常用するには荷物が安定せず、テントやシュラフなどの大型の荷物をくくりつけることがせいぜい、積載量を稼ぐことができない、というところでしょうか。
また、キャリアの取り付けには、車体のフレームに取り付け用のダボ穴、ネジ穴が必要です。
クロスバイク、グラベルロードには、これらのダボ穴が装備されていることが多いです。
ダボ穴が無い、足りない場合は、以下のようなアイテムで、ダボ穴を増やすことができます。
もっとも、これらの増設アイテムは、シートポストの直径やフレームの規格を正確に把握している必要があります。
また、キャリアにはリムブレーキ用、ディスクブレーキ用と複数の種類があることなど、車体に応じたキャリアの選択、取り付けが必要です。
かなり専門的な判断、知識が必要で、キャリアの選択、取り付けはスポーツバイク専門店に任せるのが吉と考えます。
ツーリングの目的、どのくらいの荷物を乗せるかといった要望を伝えて、キャリアの選定は専門家に任せるのがよろしいでしょう。
私も自転車屋さんではありますが、お読み頂いた方の車体の現物を拝見しているわけではないため、これがぴったりですよ!!とは断定できないのです。
キャリア、サイドバッグ型
この方法はいにしえの方法といいますか、20世紀に主流であった方法です。
ラッコ店長も、キャリアにサイドバッグを装着してツーリングすることがあります。
利点は、無敵とも言えるほどの積載量があること、それでいて荷物を保護してくれるため、荷物が濡れたり、紛失することもほとんどありません。
サイドバッグには様々な種類のものがありますが、TOPEAKのものが優れていると考えます。
ところで、世の中には完全防水を謳ったバッグも存在します。
しかし、バッグは使っていると必ず小さな穴があく、ひび割れが生じるなどして、完全防水といいながらも、すぐにその性能が陳腐化します。
であれば、必ずしも完全防水にはこだわらず、脱着が合理的、頑丈といった総合力の高いバッグを選ぶのがよろしいと考えます。
自転車用バッグブランドとしては、このTOPEAKの総合力が一番と評価します。
防水については、原始的でありますが、ビニール袋を2重にして中にいれ、それに荷物を詰めるのです。
これで台風クラスの雨でも耐えられます。
また、前述しましたように、いずれバッグには穴が開きます。
結局、ビニール袋2重が最強という結論に到達するでしょう。


この方法はよろしいのですが、難点もあります。
まず、重いです。
サイドバッグが装着できるようなキャリアとなりますと、重厚なNITTO製のものをおすすめしますが、それが重いのです。
上記画像で掲載しているものも、NITTOのキャリアです。
サイドバッグを装着できるほどのキャリアとなれば、相当に頑丈なものでなければなりません。
前後のキャリアとバッグ4点で、何も荷物を積載していなかったとしても、7kg近い重量になります。
え!?とお思いになるかもしれません。
NITTOのキャリアがフロント1,055g、リア1,480g、TOPEAKサイドバッグ 1,000gx4、合計6,535g
それに、荷物固定用のゴムバンドなどを含めれば7kgです。
スポーツバイクにお乗りの方であれば、7kgの重量増がどれほどの足かせになるか、お分かりいただけると思います。
ヒルクライム時には、ずっしりと地の底に引きずり込んでくれることでしょう。
また、容量を稼ぐためにバッグが巨大で(バッグの数を減らす、小さなバッグにする。。。でもよろしいですが、それでは何のためにサイドバッグを装着しているのか、分からなくなります。)、それが4つもついているため、空気抵抗がありえないほど大きいです。
どれほどの激坂の下りでも、バッグの空気抵抗で時速30km以上は出ないでしょう。
向かい風が地獄で、平地であっても、時速5kmしか出ない、ということもあります。
そもそも、北海道一周クラスのツーリングでサイドバッグ4つ装着というのは、積載能力の過剰だと判断します。
しかし!!
しかしであります。
サイドバッグ4つ装着して、いかにも重厚な自転車でツーリングをする、そういうスタイルが格好いい!!
いかにもロングツーリング!!という雰囲気を出すことを理解しております。
ラッコ店長も、意味もなくサイドバッグ4つをつけて走ることもあります。
そのようなロマン主義に生きるのであれば、サイドバッグ4つを装着したツーリングでもよろしいでしょう。
それに、貴方(あなた)がお若い方であれば、どんなに重くても、空気抵抗があっても、すいすいと突破できます。
多少の重さや空気抵抗なぞ、どうということもありません。
このように、サイドバッグ4つというのは、実用性というより、見た目、雰囲気を重視したツーリングといえましょう。
しかし!!
初めてのロングツーリング、北海道一周ともなれば、ワクワクして、いかにもツーリング車!!というアイテムを用意したくなるものです。
あとから振り返れば、あれはいらなかったな。。。というアイテムでも、その時は猛烈に憧れることもあるでしょう。
人は合理性のみにて生きるにあらず。
ラッコ店長はサイドバッグ4つ型のヘビーツーリングを応援します。
バイクパッキング
さて、結論から申し上げれば、北海道といえども日本を周遊するのであれば、過大な荷物は必要ありません。
しかも、以下の記事でおすすめしましたように、厳冬期の北海道走行はおすすめしません。
そのため、重厚な寝袋、マット、防寒着などは無用なのです。

積載量と重さ、空気抵抗の少なさのバランスのとれた、バイクパッキング型が、最適解となるでしょう。
バイクパッキングとは、キャリアを装着せず、自転車に直接バッグをくくりつける、という荒業ですが、この方法が一番合理的です。
また、キャリアを装着しない、といっても、補助的な固定具を装備することがありまして、これらを駆使すれば、北海道一周はおろか、日本一周でもバイクパッキング型で制覇可能です。
サドルバッグ
まず、容量を稼ぐために、大型のサドルバッグを装着します。
ラッコ店長も各社のものを試しましたが、結局、TOPEAKのものが耐久度も高く、サドルバッグにありがちな垂れ下がり、ヘタレも少なくて、唯一ロングツーリングに耐えられるバッグでした。
容量は15リットルのものが良いでしょう。
これにメスティン、ガスボンベ、ガスバーナー、テントのポールなどを収納します。
サドルバッグの補助
大量の荷物を積載していると、どのようにしてもサドルバッグが垂れ下がってくるので、タイヤにすることがあります。
以下の2アイテムを使えば、サドルバッグを下支えしてくれるため、サドルバッグのすれを防止してくれます。
個人的には大容量サドルバッグ使用時の必需品です。

お宿に宿泊する、というスタイルであれば、大型サドルバッグだけでも、なんとかなります。
フロントバッグ
さらに、フロントバッグがあれば、補給食、カメラ、携帯電話、お財布などの貴重品を手元に収納することができて、便利でしょう。
もちろん、フロントバッグは空気抵抗も増えますし、バイクの操作性も落ちます。
しかし、走りながらでもアイテムを取り出すことができる、というのは何ものにも代えがたい利点でありまして、ラッコ店長もフロントバッグを愛用しています。
フロントバッグはバイクパッキングにおいて、極めて重要なアイテムであるため、別途記事にしてあります。

結論から申し上げれば、TOPEAKのフロントバッグかmont-bellのフロントバッグが優れていると考えます。
オーストリッチのフロントバッグは、ご気分を害される方がいた場合、お詫び致しますが、およそ激しいツーリングには向いていないと思われます。
オーストリッチのバッグはのんびり、平和なサイクリング向けのもので、北海道一周ツーリングの相棒にはおすすめしません。
(実際にお使いになれば分かります。オーストリッチのバッグで問題がない、ということであれば、その方のスタイルにあっているということで、否定致しません。)
候補に上がるのは、以下の二点です。
TOPEAK、mont-bellが唯一戦えるレベルで、それ以外のブランドはおもちゃレベルと酷評します。

フロントバッグは即座に着脱ができて、それでいて固定力がある、という矛盾を両立させることが重要です。
コンビニエンスストア、観光地などに到着したら、すぐにフロントバッグを外して、車体から離れる、というのが極めて便利なのです。
TOPEAKのバッグの場合、標準でマウントが同梱されているため、それを使えばよいでしょう。
mont-bellのバッグには、標準では同梱されておりませんが、オプションを使うことで、迅速な着脱が可能になります。


しかし、mont-bellのマウントは重量物を乗せた時に、すぐに垂れ下がります。
(もっとも、最大積載量を超える積載をする方が悪いのであります。しかし、どうしても載せなければならない状況に陥ることもあるのです。)
最大積載量を増やすのであれば、mont-bellのマウントの代わりに、RIXEN KAUL リクセンカウルのマウントを使うと良いでしょう。
RIXEN KAULのマウントであれば、ワイヤーでガッチリと下支えするため、保証対象外とはなりますが、一時的に10kgの荷物を乗せる!!といった荒業でも耐えられます。
(しかし、荒っぽい使い方を続けるとワイヤーが切れてしまいます。
しかし!! ワイヤーが切れても交換すれば良いだけなので、RIXEN KAULのマウントの方かやはり優れていると言えましょう。)
バッグ用のフレームだけmont-bellのものを使い、マウントはRIXEN KAULを使います。
実はラッコ店長もこの方法を使っています。
なお、マウントには、ハンドルの直径が31.8mm用と25.6mm用のものがありますから、ご注意ください。
もっとも、樹脂パーツを交換すれば良いだけなので、仮に間違えたとしても、致命的なミスではありません。
数年に一度、RIXEN KAULアダプタのワイヤーが切れると思います。
切れた場合はこれをお使いください。
簡易サイドバッグ
フロントバッグとサドルバッグがあれば、たいていのツーリングはこなすことができます。
さらに、寒い時期、衣類の代えを持っていきたい、ということであれば、容量を増やすために、フロントフォークにバッグを装着すると良いでしょう。
TOPEAKのヴァーサケージがどこにでも装着できる、巨大なバッグでも装着可能、汎用性が高く、しかも頑丈で、おすすめです。
ラッコ店長もこのヴァーサケージをツーリングで3万km以上運用しています。
いまだに初代で壊れていません。
フロントフォークにバッグを2つ装着して、それに荷物をくくりつけます。
テントなどを直接くくりつけても良いですが、アイテムを袋に詰めて、それをくくりつければ容量を稼げる、アイテムの濡れ、破損を防げるためおすすめです。
(フロントフォークの周囲というのは、道路の脇やガードレールにこすれることがあります。アイテムがむき出しだと、ダメージを受けやすいのです。袋に入れておけば、多少はダメージを防いでくれます。また、防水性能も上がります。)
ラッコ店長はmont-bellのスタッフバッグというものに荷物を詰めて、それをTOPEAK ヴァーサケージにくくりつけています。
スタッフバッグは荷物が少なければ5リットル、多ければ10リットルまではくくりつけることができるでしょう。
15リットルのバッグをくくりつけることは不可能ではありませんが、バランスがかなり悪くなります。
防水性能を高めるために、サイドバッグと同様、中にビニール袋を入れて、そのなかに収納します。
さらに、バッグをくくりつけるときは、逆さ向き(つまりバッグの入口を下にする)にしています。
バッグの口を上向きにすると、突発的な豪雨をに出会った時、中に水が溜まってしまうからです。
過去の経験から、ビニール袋に入れたとしても、中に水が貯まると荷物を濡らしてしまうことがありました。
万一、寝袋、衣類が濡れると悲劇で、場合によっては就寝できないということにもなりかねません。
ゆえに、ビニール袋に入れて、さらに口を下側にして装着しているのです。

このような簡易サイドバッグであれば、容量を一気に5リットルx2、あるいは10リットルx2増やすことができます。
ここまで増えれば、ほとんどのツーリングが対応可能でしょう。
トップチューブ
トップチューブには、テントを装着しています。
ヴァーサケージでもよろしいのですが、幅広で私には太ももにあたってしまうため、ここだけは他社製のものを使っています。
ブラックバーンのカーゴゲージです。
体の大きな方であれば、ヴァーサケージでも太ももに当たらないでしょう。
ミニパニアバッグ
トップチューブに装着する、ミニパニアバッグというものを愛用しています。
車体の中央に近いため、少しでもバランスが良くなることと、重量物を入れても耐えられるのが気に入っている理由です。
最近、日本に進出してきた、デカトロンのバッグが気に入っています。
もっとも、この手のバッグはスポーツバイク店では邪道扱いされるアイテムで、スタイリッシュには程遠いため、面と向かっておすすめしてくるお店は少ないでしょう。
結論
バイクパッキング型でも、上述のバッグを駆使すれば、以前のブログでご紹介したアイテム類をすべて収納可能です。

しかも、キャリアを装着して荷物を装備する形式よりも遥かに軽く、空気抵抗も少なく走行可能です。
また、おすすめしておきながら、このようなことを申し上げるのがはばかられるのですが、キャリア、サイドバッグは結構なお値段がします。
NITTOのキャリアは前後で¥50,000と、全然お安くはないですね。
(私も少年時代からの憧れで購入しましたが。。。)
バッグが一つあたり¥10,000以上。
つまり、バッグ4つと前後キャリアだけで¥90,000以上の予算が必要です。
バイクパッキング用の補助キャリアであれば、比較的お安く、バッグ類のお値段も抑えることが可能です。
ロマンを追求するのであれば、キャリア、サイドバッグ型、実用性重視ならバイクパッキング型となるでしょう。
ラッコ流のバイクパッキングは、安定性と積載量を増やすために、随所に補助キャリア、補助マウントを使うため、純粋なバイクパッキングというよりも、バイクパッキングとキャリア、サイドバッグ型の中間スタイルであると考えます。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。


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