皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
ロングツーリングで恐ろしいものについて、取り上げます。
第三回目はトンネルの恐ろしさです。
他の記事は以下をご参照ください。





トンネルの恐ろしさ
日本全国をツーリングしておりますと、長さ1000m以上のトンネルにしばしば出会います。
さらに、3000mを越すようなトンネルも存在します。

おそらく関東一の恐怖トンネル。新笹子トンネル。
それではトンネルというのは、長ければ長いほど、恐ろしいのでしょうか。
実はそうではありません。
長さ500m以下のトンネルであっても、事故が起きる可能性はあります。
急激な明暗の変化にドライバーが対応できないことによる事故
まず、本稿では500m以下のトンネルを短いトンネル、3000m以上のトンネルを長大なトンネルと表現致します。
確かに、短いトンネルであれば、出入り口から日光が差し込んで、暗い区間が短いのでそれほどの危険はない。。。と思われますかもしれません。
しかし、短いトンネルで怖いのは、夏です。
夏、快晴でものすごく明るい状態から、トンネルに入った場合、目が暗さになれず、周りがよく見えません。
さらに、短いトンネルの危険性を増しているのは、出口の光が眩しくて、トンネル内部の暗い部分がよく見えないのです。
これらの現象は、相対的に速度の速いクルマのドライバーさんの方が、より一層、周囲の明るさに極端な変動があるでしょう。
つまり、夏の短いトンネルで怖いのは、暗さに慣れていないクルマに、ロードバイク乗りが轢かれるということです。
緊張、疲労による事故
長いトンネルで恐ろしいのは、まず、短いトンネルと同じく、クルマに轢かれるということがあります。
次に、荷物を大量に積載している重たいロードバイクであればよくあることですが、軽量なロードバイクほどは速度がでません。
トンネル内は緩やかな傾斜になっていることも多く、重たい荷物と傾斜が重なると、時速10km以下の速度しかでない、ということもあるのです。
たとえば、時速10kmで3000m(3km)のトンネルを突破するとなれば、0.3時間、つまり18分時間がかかるということです。
18分、闇の中をクルマに轢かれないようにするために、道路の端っこを走り続けるのは心身ともに疲労が積み重なります。
疲労と緊張が増えていくと、人間、ミスをするものです。
つまり、長いトンネルは、ロードバイクの操作を誤ったりして、事故を起こしてしまう可能性が高まります。
これが恐ろしい第二の点です。

山脈をくり抜いて、トンネル内が県境になっていることも多い。

歩道走行を強くおすすめする。
爆音と暴風による恐怖
第三は、長いトンネルの場合、音が反響します。
クルマ、バイクのエンジン音が凄まじく反響し、それがとてつもなく恐怖なのです。
凄まじい爆音とともに、自分のすぐ横を巨体が通り抜けていきます。
巨体が過ぎ去った後には、暴風が巻き起こりまして、あやうく倒れそうになります。
爆音と暴風の恐怖が疲労を蓄積させ、上記事故を誘発する、ということもあります。

霧で前が全く見えない。山形県金山。
追い越し車両が2台向かってくる恐怖
第四に、長いトンネルの場合、直線部分も長くなりがちです。
そして、急いでいるドライバー、時間に追われているドライバーはトンネルであったとしても、その直線区間で前の車両を追い越そうとするのです。
トンネル内は狭く、追い越し禁止車線であることがしばしばですが、そのようなことは彼らはお構いなしです。
無法を承知で追い越しをしかけます。
その場合、どうなるかというと、クルマが前方から2台、並走して向かってくる、というわけです。
このような強引な追い越しを仕掛けてるくのは、意外にも大型トラックが多いように思われます。
これは邪推かもしれませんが、無理をしてまで時間短縮をしなければならない、仕事上の理由があるのではないか。。。と推察します。
大型トラックが轟音を立てながら逆走して、こちらに向かってくる恐怖たるや、筆舌に尽くしがたいものがあります。
(ラッコ店長はトンネル内で逆走するクルマに2度、出会ったことがあります。)

5000m近いトンネル。北海道最長、えりも黄金トンネル。
回避方法、トンネル走行の安全度の上げ方
上記でトンネル走行の恐ろしさを挙げましたが、回避方法、安全度を上げる方法をご紹介します。
トンネルのルートを選ばない
一番穏当なのは、そもそもトンネルのあるルートを選ばない、ということです。
ほとんどのトンネルはクルマのために作られたもので、クルマがいかに速く、大量に人、モノを運べるようにするか、という観点から作られています。
そのため、そもそもロードバイクが走るようには設計されていません。
無理をせず、トンネルを使わなくても到達できるルートがあるのであれば、そちらを進むべきです。
しかし、日本の内陸部、例えば東北地方や長野県周辺など、県をまたぐには、長いトンネルを突破するしかない、ということも多々あります。
トンネルを突破しない場合は、昔ながらの街道、川沿いの道などを延々と迂回しなければならないのです。
私も日本のあちこちを周回していて、トンネルを走らざるを得ないという状況が何度もありました。
しかし、安全性という観点からは、やはり長いトンネルは回避すべきでしょう。
他の道を走りきった後、経験を積み、走行に適した季節、時間帯を選んでトンネルに挑戦したほうが無難です。
歩道を走る
どうしてもトンネルを通らなければならない場合、安全度を上げるしかありません。
安全度を大きく上げる方法として、歩道を走る、というものがあります。
そして、結論から申せば、この歩道を走ることを最もおすすめします。
以下、歩道を走行することの適法性について記します。
まず、道路交通法上、原則として、ロードバイクは車道を走るものと規定されています。
しかし、細かな解釈論は展開致しませんが、山奥、地の果てにあるようなトンネルは、道路交通法63条の4第1項3号「車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき」に当たるといえ、歩道走行が許されると考えます。
そして、歩道走行が適法な場合は、右側、反対車線の歩道を通行することも適法になるためご安心ください。
つまり、左側走行の日本では一見すると逆走しているように見える状況であったとしても、適法になります。

歩いて通過可能。下関、門司をむすぶ関門海峡。
歩道を走れない場合、道の端っこを走る
これは当たり前のように思われるかもしれませんが、自転車は道の端を走るものです。
しかし、ロードバイクマニアの方の中には、ロードバイクは軽車両であり、車道を走るもの、ある程度、道の真ん中に膨らんでもいい、と自信を持って道の真ん中近くを走る方がいます。
トンネル内では、ドライバーさんがまさか、このような場所に自転車が走っているとは!!とお思いになることが多々あります。
そのような場所、状況にもかかわらず、どうどうと真ん中近くを走っているとどうなるか。。。
轢かれます。
大変不謹慎ながら、実際にトンネル内で轢かれているロードバイクの方を拝見したことがあります。
トンネル内では、可能な限り左側に寄って走行しましょう。
しかし、石、ゴミ、路面が劣悪で、左に寄ることが不可能なトンネルも多いでしょう。
可能な限り最善を尽くすしかありません。
ライトで強烈にアピールする
前後、ライトをつけて強烈にアピールするのも有効です。
前方に眩しすぎるフラッシュを点滅させることはためらわれるため、ラッコ店長は1基は下方にフラッシュを点滅させ、2基を前方に照らしています。
つまり、フロントライトは3基です。
リアライトは点滅させても、それほどドライバーさんの目を幻惑させることにはならないでしょう。
トンネル内で有効なライトの選び方は、第二回の記事をご参照下さい。

反射ベストで強烈にアピールする
反射ベストの着用も有効です。
すこし恥ずかしい(大変失礼)ですが、ビカーーーーーっと反射して、存在を際立たせてくれます。
ライトを消し忘れないこと
トンネルを突破したら、ライトを消灯させることを忘れないようにしましょう。
いかに強力なライトを装備していたとしても、消灯を忘れて、次のトンネルではバッテリがカラだつた。。。ということがあります。
クルマの往来の少ない曜日、時間帯を選ぶこと
上高地、四国の祖谷、紅葉が名物になっているダム湖の周りなどは、週末、とんでもない数のクルマ、オートバイがトンネルを通ります。
そのような時期に、トンネルが繰り返される箇所を通ってはいけません。
お休みの都合上、仕方がないかもしれませんが、事前にルートを確認して、トンネルが繰り返される行楽地は、週末、連休に突破することは避けたほうが無難です。
どうしても通過しなければならない場合は、観光客さんが通らない、超早朝に突破するのが良いでしょう。
信号機を利用すること
もしトンネルの前後の信号があるようなトンネルであればラッキーです。
トンネル方向へ向かう車線が赤になっているときにトンネルに突入し、可能な限り前進すれば多少はクルマの往来を減らすことができます。
それでは皆様のトンネルライフが安全になることをお祈りしております。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。


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