皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
本シリーズは、業務をしていて不思議に思ったことを書き連ねたものです。
他の記事は以下をご参照ください。
途中、欠番しているものは、まだ書き上げていない記事です。










日々業務をしていて、一気に警戒心を高めるお客さんのタイプがあります。
この自転車、父の形見なんです、というお客さんです。
予想
お父上がお使いになっていたものを、残された家族が使い続けたい、それは心温まる、素晴らしいお話です。
年代物のロードバイクや、超絶手入れされた最新鋭モデルなど、手放すにはあまりにも惜しいというものでしょう。
現実
しかし、このようにおっしゃるお客さんのほぼ全てが、ボロボロのママチャリの方です。
まず、形見なのに、なにゆえそんなにボロボロなのか、問いたいです。
理由としては、
1 お父上の使い方が良くなかった(大変失礼)
2 お父上亡きあとの保管状況が良くなかった
ことが考えられましょう。
1の場合、そもそもお父上が大切に使っていないようなアイテムを子孫がメンテナンス、オーバーホールする意味、価値があるのかと私的には考えますが、お客さんのご要望を満たすのがお店の役割、特に反論は致しません。
2の場合、んん?とは思います。
しかし、自転車をどう保管すれば良いか、というのをご存知ない方もいらっしゃるでしょうし、保管状況の悪さをもって、この車体はこれ以上の追加投資をする価値はない、と断ずることはできません。
ナゾの理由
私がナゾに思うのは、「父の形見なんです」という言葉を、まるで必殺ワードのように繰り出してきて、その後、何がしたいか、ということなのです。
お父上が使っておられた様子、外観を可能な限り保持して、それでいて十分に性能を回復させたい、費用はいくらかかっても構わない、というご要望であれば、当店も納得できます。
しかし、お話を伺うと、ほとんどの方は、あまりお金をかけないで乗れるようにしたい、とおっしゃいます。
いやいやいや。
残念ながら無理です。
ボロボロになったママチャリをお金をかけずに復旧させるのは2025年の日本では不可能です。
もし、ホームセンターやAmazonなどで¥10,000台で販売されている自転車などの相場と比べて、修理費であればもっと安いはずだ、とお考えであれば、それは無体なご要望です。
不可能な理由は、日本国内で作業した場合、高額な人件費、割高な補修パーツを使わなければならないからです。
法定以下に人件費を削ることはできませんし、日本国内で流通しているパーツより格安のパーツを仕入れることなど。。。不可能です。
ホームセンターやAmazonで格安の自転車が販売されているのは、製造、組立の9割以上を海外で行っているからです。
推測
この発言の狙いは、形見という言葉を出して同情を誘い、相手から過度のサービスを引き出そうとする魂胆、としか思えません。
このようなお客さんの場合、ご気分を害さないよう、十分に注意しながら修理金額の予想を申し上げ、結果として修理をお断りすることが多いのであります。
愚にもつかないお話を致しました。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。


コメント
ウチは、取りっぱぐれました・・・「父の形見」と言うので「高いです。4万円は掛かります」と、ごく普通のブリヂストン製内装三段のママチャリの見積もりを出しました。お客様は、「それでも直したい」と・・・で、メーカから純正部品を取り寄せて、1か月強かけて(工期のほとんどは、欠品していた部品の取り寄せ日数です)直しました。で、お客様に、修理完了電話をし、正式金額を伝えた後。ばっくれ。自宅に訪ねても居留守。自宅に郵便受けに、請求書投函・・・しばらくして、お客様の兄弟にこの請求書を見られたらしく、恥ずかしいから払え」と言われたので払いに来た・・・と言うが支払わず。最終的に、上長からの指示で、部品代を原価、工賃タダで請求書作り直して集金でした・・・。
それは厳しいお客様でありましたね。
やはり形見ワードを持ち出すお客様に・・・以下略。
実際は工賃、回収する手間と、猛烈なる赤字でありますが、パーツ代だけでも回収する、というご趣旨でしょう。
よく分かります。
危険な香りのするお客様は前金を十分に頂くしかないのかもしれません。
あと、今の時期だと多いんですが、「あと半年持てば良い」と、子供が3月で卒業だからと、タイヤ・チューブボロボロなのに、パッチ修理希望のお客様。当店では、最低でも、チューブ交換、外してみて、タイやダメなら交換可でないと受付拒否にしました。
まさに、それもありますね。
応急処置でいいから、とおっしゃって、とにかく修理費用を抑えようとするお客様。
当店も同様、一週間も持たないような場合には、お断りしています。