皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
本記事は

の続きです。
マウンテンバイクが都内で売れるのか、販売店目線であれこれと考察してみます。
実体験
実を申せば、私はほとんどマウンテンバイクを売ったことがありません。
いえ、売れないのです。
特に、前後サスペンションの付いた、本格的なマウンテンバイク、ロードバイクで言えばカーボンロードバイクに相当するようなモデル、は全くと言っていいほど売れません。
それは、私の接客技術が低い、お店やスタッフの過去の業績が無い、店内の雰囲気がマウンテンバイクにチカラを入れているように見えない、ということもありましょう。
しかし、マウンテンバイク専業、店内マウンテンバイクだらけ!!
スタッフもマウンテンバイクが得意です!!
というお店であれば、売れるのかもしれません。
世界の様子
まず、北米ではマウンテンバイクの文化は完全に定着し、スポーツバイクカテゴリの中で、マウンテンバイクが最も人気、ということは珍しくありません。
次に、ヨーロッパ、とくにドイツなどでは街なかでEマウンテンバイクをよく見かけるようになって、時代の変革を感じることができます。
国内の様子
それでは、日本の場合はどうでしょうか。
自転車産業振興協会、という団体さんがいらっしゃいます。
自転車に関するISO、JISの制定に中心的な役割を果たし、日本唯一の自転車専門技術研究所を持っている、という協会さんです。
また、自転車に関する、価値のある統計も発表しておられます。
その中に、2022年、2021年の自転車大型店、中型店、小型店の販売実績、統計というものがあります。
小規模店(年間100台以下)35店舗、中規模店(年間101台~250台)35店舗、大規模店(年間251台以上)30店舗の統計を取ったものです。
少し古いデータでありますが、全国規模で、しかも様々な規模の店舗から情報を集積したこの統計は、凄まじく価値があると考えます。
https://jbpi.or.jp/wp-content/uploads/2023/03/2022.pdf
11ページ目に、興味深い記述がありました。
1店舗当たり平均年間車種別新車販売台数、というものです。
これは全国、あらゆる規模の店舗を単純平均したものですから、もちろん、広く全てのお店にそのまま適用できるものではありません。
しかし、日本全国の総需要を推察するには、とても参考になるでしょう。

画像引用 https://jbpi.or.jp/ 自転車国内販売動向調査 年間総括【2022年】

画像引用 https://jbpi.or.jp/ 自転車国内販売動向調査 年間総括【2022年】
お分かり頂けるでしょうか。
マウンテンバイクは、ロードバイクのおよそ半分、売れている、ということになります。
この数字を高いと見るか、低いと見るか、判断に迷うところです。
都内に、マウンテンバイク専業店はロードバイクを扱っているお店に比べると、圧倒的に少ないため、その少ないパイを独占できれば素晴らしいことです。
しかし、独占できないとなれば、ロードバイクを上回る厳しい戦いが待っていると思われます。
(なお、グラベルバイクをどのカテゴリに分類しているか、この統計では明らかになっておりませんが、ドロップハンドルが付いているという理由で、ほぼ間違いなく、ロードバイクに分類されているでしょう。
クロスバイクにも別カテゴリがありますから、マウンテンバイクと改めて分類されたこのカテゴリは、少なくともフロントにサスペンションは付いていて、太いタイヤを履いたモデルであると推察されます。)
マウンテンバイクを売るための方策
私の考える方策は3つです。
1 日本国内のスポーツバイク市場規模を大きくして、結果的にマウンテンバイクも売れるようにする
これは理想的です。
自転車屋さんがたくさん幸せになります。
全国を巻き込んで総需要を喚起するという、最善の策です。
素晴らしい。
2 多くの人が乗ることのできる、マウンテンバイクを販売する
つまり、安価な車体を数多く売る、ということです。
場合によっては、ルック車などと揶揄(やゆ)されることもあるかもしれません。
しかし、販売数を稼ぐには、ある程度の妥協は必要でしょう。
3 先鋭化して、超高価格なハイエンドマシンを売る
たとえ販売台数が少なくても、¥500,000を超えるような超高価格帯の車体であれば、それなりの利益がでます。
これらを売って利益を確保する、という作戦です。
専門店として、正しい戦略とも思われます。
マウンテンバイクの販売数 全国平均と関東平均の差
全国の平均
前述しました、自転車産業振興協会の資料 25ページに、これまた興味深い記述があります。

画像引用 https://jbpi.or.jp/ 自転車国内販売動向調査 年間総括【2022年】車種別・価格帯別販売台数構成比

画像引用 https://jbpi.or.jp/ 自転車国内販売動向調査 年間総括【2022年】
お分かり頂けるでしょうか。
まず、ロードバイクは概ね、¥100,000から¥300,000あたりの車体がよく売れています。
これは、私の皮膚感覚といいますか、実体験でもそのとおりです。
地方は、都内に比べて、あまり高価ではない(大変失礼)ロードバイクが多いなあ、という実体験に基づく印象があります。
次に、注目すべきは、マウンテンバイクです。
¥50,000から¥100,000までの価格帯で72.8%が占められています。
正直申して、¥100,000以下のマウンテンバイクというのは、良くてフロントサスペンションが付いているだけ、技量があればコースを走ることは不可能ではありませんが、本格コースを攻略するマシンではない、と言えましょう。
つまり、マウンテンバイクらしい走り方をすることはできない性能の車体である、ということです。
そして、特筆すべきは、前後サスペンションが付いていると思われる¥300,000以上のモデルは、0.7%しか売れていません。
さらに!!
今、お見せしたものは、全国平均のものです。
関東の平均
関東に着目しますと、さらに現実の皮膚感感にあった数字が出てきます。
(資料冒頭にも説明がありましたように、関東20店舗の平均です。)

画像引用 https://jbpi.or.jp/ 自転車国内販売動向調査 年間総括【2022年】

画像引用 https://jbpi.or.jp/ 自転車国内販売動向調査 年間総括【2022年】
ロードバイクはなんと!!
¥300,000以上のものが最も売れています。
これも、実体験通りです。
都内には、高級ロードバイクが溢れています。
多摩川、荒川、江戸川などを走れば、高級車だらけです。
やはり、統計データ上でも裏付けが取れていました。
そして、マウンテンバイクについて見てみますと、全国平均よりも更に車体単価が下がり、¥50,000から¥80,000の車体で実に83.3%を占めています。
これは、ルック車と言われても仕方がない価格帯のバイクでありまして、流石にこの価格帯のバイクでコースを走るのは危険でしょう。
さらに、¥300,000以上の車体について見ますと、0.0%。
全国平均よりも、さらに下がりました。
20店舗を合わせても、一年間で一台売れていない、ということです。
ゾッとする数字です。
なるほど、これが現代日本のマウンテンバイク市場か、と深く理解しました。
公道走行時の注意
なお、前後にサスペンションが付いている本格的なマウンテンバイクで公道を走る場合には、注意点があります。
これらのマウンテンバイクは、最低でも800mmはハンドルバーの幅があるものです。
(比較として、ロードバイクはハンドル幅が400-450mmくらいです。)
道路交通法上、自転車の歩道走行が許されている場所であったとしても、ハンドル幅600mmを超える車体は、歩道を走ることができません。
すべて車道を走る必要があります。
ご注意ください。
補足
商売とは人との交流、戦いであります。
そして、対人相手の行為に、絶対こうなる、などということはありません。
そもそも、爆発的に売れた商品、お店というのは、大多数の人が考える、将来の推察から良い意味で外れたから、売れた、利益を独占できたのであります。
私がさかしらに申した通りにはならない、ということも多々あるでしょう。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。
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