SHIMANO SH-XC302 SPDペダルのクリートを交換する / トルク管理 トルクレンチ SHIMANOプレミアムグリス

ツーリング用品

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

常連様がシューズを交換したい、とのことで、新しいシューズの手配とクリートの交換をしました。

SPDシューズの種類

ご要望はツーリング用途で、自転車用のシューズを履いたまま観光もする、という使い方をなさいます。
このような用途の場合、純粋オンロード用シューズと、これまた純粋オフロード用シューズの中間的な製品が向いているでしょう。

街乗りに限りなく近い、カジュアルシューズのようなものにクリートを取り付ける、という製品もあります。

今回のお客様はカーボンロードバイク、カーボンディープリムホイールをお使いで、あまりにカジュアルなシューズは全体像が締まらないというものでしょう(これは私の勝手な価値観ゆえ、それぞれの方、自転車屋さんの判断にお任せします)。

お選びしたのは、SHIMANO SH-XC302というモデルです。


マウンテンバイク、クロスカントリー、グラベルなどに対応したシューズで、ソール剛性もSHIMANO製品のなかで、中間程度の固さがあります。
硬いソールはオンロード走行にはよろしいですが、ラフな路面、観光時には使いにくいでしょう。

ところで、自転車用シューズの履き方、固定方法には大きく4つあります。

ベルクロ(マジックテープ)

ベルクロでびりびりっと固定するシューズです。

構造を簡略化できるため、安価に製造可能です。
おおむね、エントリークラスのシューズに採用されています。

固定力がそこまで高くないため、ライダーの出力数や回転数が上がることが前提のハイエンドモデルでは採用されていません。

とはいえ価格のお安さは魅力的で、ツーリング用途には、十分かもしれません。


ラチェット式

帯状のパーツをカチカチカチと締め込んで足を固定します。
ベルクロ式よりも固定力が高いのが特徴です。
しかし、少し着脱がしづらいことと、後述しますBOAダイヤルが急速に普及したため、固定力に特徴のあるラチェット式のシューズは少数派となりました。

型落ち(大変失礼)のモデルでは、今でも散見されるモデルです。

ラチェット式とベルクロ式を合わせているモデルもあります。

BOAダイヤル式

自転車に限らず、スポーツシューズで定番となったのが、BOA(ボア)ダイヤル式のモデルです。
軽量で、締め付ける、緩める、微調整が可能でありまして、自転車用シューズの王道に一気に駆け上がりました。
おおむねミドルグレード以上のモデルであれば、BOAダイヤルが採用されているでしょう。

ダイヤル数が多ければそれだけ各所に合わせて微調整が可能であるため、ハイエンドモデルはBOAダイヤル2つ、ミドルグレードは1つのダイヤルが搭載されていることが多いです。

今回ご案内したSHIMANO SH-XC302は定価¥20,570で、エントリーからミドルグレードという立ち位置でしょうか。
BOAダイヤルが1つ搭載されています。

クリート交換 作業開始

クリートの取り外し

さて、古いシューズから新しいシューズにクリートを移植します。
もちろん、新しいシューズに合わせて、クリートを新品に交換するのも良いと思われます。


今回は、クリートに極端な減りが無かったことと、初めてシューズを交換なさるお客様で、違和感を少しでも減らそうと、クリートは同じものを使うことにしました。
(新品のクリートは固定力が高いかわりに、外しにくいと思うこともあるからです)

こちらが交換前のシューズ。
かなり使い込まれています。

オフロードも走るSPDシューズでは、クリートに石、泥などが詰まるのは珍しくありません。
こちらのクリートにも小石が詰まっていて、ボルトが回せない状態でした。
少し注油して、ボルト、石などの詰まりを緩めます。

ボルト内部を少しクリーニングして、4mmのアーレンキで外していきます。
あまりに酷使されたシューズですと、ボルトが固着して外すことが不可能なこともあります。
その時は諦めて、新しいクリートを手配しましょう。

新しいシューズ

新しいシューズです。
日本市場向けに、幅広のサイズを展開しています。
日本に住んでおられる多くの方には、欧米直輸入のシューズは幅が狭すぎて、きついのではないか。。。と思われます。
とはいえ、足の形には個人差が大きいため、直輸入モデルがそのまま適合できる、という方もいらっしゃいます。

今回のシューズは少し幅広に作られているものです。

右左をそのまま移植する

人間の身体は左右で、完全に均衡にはできていません。
ペダリングをする力も、右足、左足で異なるものです。
ゆえに、クリートも右と左で消耗の角度、大きさが異なります。

そのため、クリートを移設するときは、右足、左足をそのまま新しいシューズに移設することにします。
また、取り付け位置も基本的には、ほぼ同じ位置を再現します。
(とはいえシューズ内部の形は千差万別ですから、単につま先からの距離を同じくしても、同じペダリングにはならないでしょう)

このお客様のクリートは明らかに右の減りが多く、右足のほうが脚力が強いと推察されます。

グリスの塗布

ボルトにはグリスを塗布しておけば、万一の固着の確率を減らしてくれるでしょう。

グリスは何でも良いですが、業務用として定番なのは、SHIMANO プレミアムグリスか、PARKTOOLのグリスでしょう。
私はSHIMANOプレミアムグリスを使っています。

なお、SHIMANO プレミアムグリスには、様々なサイズのものが販売されています。
業務用でなければ、小型の50g入りで事足りると思われます。



よしっと。
移植完了です。
あとはお客様に実際に使っていただいて、ミリ単位で微調整していきます。

トルク管理

なお、ボルトは相当に固く締め込みませんと、いざペダルからシューズを外そうとするときに、クリートがずるりとズレて、シューズを外すことができなくなることがあります。
シューズがはずれない!!と大パニック、あるいは立ちごけになること必死ですから、適正トルク 5-6Nmで締め込んでいきます。

トルク管理に不安があるときは、トルクレンチの購入をおすすめします。
自転車マニアさんであれば、一台あればカーボンパーツの取付時にも安心です。

パークツールのトルクレンチが最適と考えますが、簡易的なものでも一つの目安にはなるでしょう。
(私は両方とも所持しています)



技術的な細目は、SHIMANO ディーラーマニュアルをご参照ください。

https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/MAPD001/DM-MAPD001-05-JPN.pdf

本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。

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