GIANT IDIOM 折りたたみ機構を無くしたい / カスタマイズご依頼 試行錯誤編 その2

ラッコ店長

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

本記事は

GIANT IDIOM 折りたたみ機構を無くしたい / カスタマイズご依頼 打ち合わせ編
皆様、こんにちは!!ラッコ店長です。2026年7月29日 電子メール 不思議なお話ある日のことでした。島根県隠岐島を走行中、不思議な電子メールが届きました。私が2025年まで勤めておりましたbikeport新宿都庁前店さんで書いたブログをご...

の続きです。

パーツ発注 作業開始

パーツを発注して、取り付け作業開始です。
折りたたみステムを排除して、折りたたみではないパーツに交換します。

本来であれば、GIANT純正のパーツを使うべきところ、お客様ご自身がおっしゃられていたように、既にIDIOMは廃番になっています。
さらに、販売店向けの補修パーツも保持期間が過ぎたためか、2026年の時点では入手不可能なのです。

そこで、今回はサードパーティ製のパーツを中心に、カスタムしていこうと思います。

折りたたみステムの取り外し

まず、標準状態で取り付けられている、折りたたみステムを外します。
この部分は、なんと20Nmという、通常のステムでは考えられないトルクで締付されています。
(スポーツバイクの用のステムは5-7Nmが通常でしょうか)

それは、この折りたたみ機構が、実はかなり無理をした、イレギュラーな仕組みだからでもあります。

走行中にこの部分が緩むと大変なことになりますから、20Nmで強固に締め付け、さらに安全機構が備わっています。

固い!!

安全レバーを解除しようとしますが。。。
あれ。

かなり固いです。
むう。

無理もない。
お客様もおっしゃっておられましたが、この折りたたみ機構、まだ1回くらいしかお使いになっていない、とのことで、内部が固着しているのでしょう。

オイルをさして、しばらく放置します。

どっこいしょ、と。
折りたたみ機構が動きました。

折りたたみ機構を使わない状態で最適化されている

ハンドルを折りたたもうとしますが、ああ、理解しました。

この車体は、先日他店さんでオーバーホールなさったとのことで、おそらく作業担当したスタッフさんは、依頼主さんの言外の要望を汲んで、このお客様は折りたたみ機構を使わないから、ワイヤーは余分に長くなくても良い、最小限で良い、という調整になっていますね。

特にフロントブレーキのワイヤーが短くて(折りたたみ機構を使わないのであれば最適解)、折りたためません。
(前述しましたが、折りたたみ無し前提で各種ワイヤーを配線しておられると思われまして、これはこれで正解です。)

フロントブレーキのワイヤーを解放します。

トップキャップがコラムの内部にある

折りたたみができました。

お分かり頂けるでしょうか。
IDIOMは個性的な車体で、通常のロードバイクであれば、最上部にあるはずの、トップキャップが折りたたみコラムの内部に隠れています。

通常の車体のトップキャップの位置

トップキャップ解放

トップキャップを緩めます。

外れました。
内部はややサビがでている、というところでしょうか。
腐食して、使い物にならない、というほどではありません。

換装予定パーツ

さて、今回は、このパーツに交換する予定です。

ご覧頂きましたように、IDIOMは事実上、縦に延長するコラムを使って、半ば強引にハンドルポジションを作り上げている、という車体です。
そして、その延長コラムは、あまりにも長いため、トップキャップと同様の仕組みを内部で行い、外部から見えるハンドルの最上部には、飾りのキャップを載せているだけなのです。

GIANT IDIOM
トップキャップはプラスチック製で、ただ上にカパッとはまっているだけです。

そもそも、アヘッドステムのトップキャップの役割は、フロントフォークを適切なトルクで引き上げ、フロントフォークの脱落を防止し、ガタが出ないようにするためのものです。
そうだとすれば、トップキャップは必ずしもコラムの最上部にある必要も無く(調整がしやすいので通常は最上部に配置してあります)、中で引き上げても良いのであります。

今回は縦長コラムを下段、上段の2段重ねにして、下段内部からフロントフォークを引き上げようと思います。

スターファングルナットの打ち込み

下段コラムにスターファングルナットを打ち込みます。
これにボルトを貫通させ、フロントフォーク内部に埋め込まれている本当のスターファングルナットを引き上げる、という皮算用です。

参考画像
スターファングルナット


中で引き上げるだけなので、そこまで深く打ち込まなくても良いでしょう。

ただ、スターファングルナットには、当然ながらねじ切りがなされていますから、これが邪魔なのです。
今回、下段コラムに埋め込んだスターファングルナットは、通常のロードバイクで使われているような、トップキャップと同様の働き、つまりボルトが空転してくれないと困るのです。

そこで、ねじ切りを削り取ることにしました。
マキタのインパクトドライバーを使います。

これは日々の業務でも大活躍で、ホイール組、ブレーキローターの取付、取り外し、Vブレーキキャリパーの取付、取り外しなど、人力でももちろんできるものの、電動でびゃっびゃっと一瞬で作業できますし、極めて業務効率を上げてくれるツールなのであります。

トルク管理については、そもそもインパクトドライバーではそこまで強固には締め付けないため、本締めはトルクレンチで行えば良いのであります。


よし!!
これに上段ステムを載せて、フロントフォークを内部から引き上げれば、概ね完了だ!!と思いました。

しかし!!
真の地獄が、ここから始まったのであります。

本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。

次のお話

GIANT IDIOM 折りたたみ機構を無くしたい / カスタマイズご依頼 完成編 その3
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