GIANT IDIOM 折りたたみ機構を無くしたい / カスタマイズご依頼 完成編 その3

ラッコ店長
完成 GIANT IDIOM カスタマイズ後

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

本記事は

GIANT IDIOM 折りたたみ機構を無くしたい / カスタマイズご依頼 試行錯誤編 その2
皆様、こんにちは!!ラッコ店長です。本記事はの続きです。パーツ発注 作業開始パーツを発注して、取り付け作業開始です。折りたたみステムを排除して、折りたたみではないパーツに交換します。本来であれば、GIANT純正のパーツを使うべきところ、お客...

の続きです。

懊悩(おうのう)

前回の記事で言及しましたように、一見、悪くないように見えました。

しかし!!
よく見てみますと。。。
フロントフォークの突き出しと、下段コラムパーツ(本記事では便宜的にそのように呼称します)の接合状況です。

お分かり頂けるでしょうか。
四角く囲んだ部分にだけ、下段コラムパーツが締め付けて(クランプ)います。

締め付け部分の1/4くらいしかありません。

これでは、下段コラムパーツのボルトをいくら締め込んだところで、固定力が足りないでしょう。
また、パーツ破損のおそれも十二分に考えられます。

なんとかならないか。。。と試行錯誤し、コラムスーペーサーを低いものに替えてみました。
標準では、下段コラムパーツのさらに下にある、スペーサーが山形のもの、テーパードスペーサーというものになっています。

これを背の低いものに変えるのです。

うん。
これで多少は改善された。

クランプ部分は1/2くらい。

しかし、それでもなお、クランプ部分は十分とは言えないでしょう。
今回のカスタマイズは、この下段コラムパーツの上に、さらにコラムパーツを載せて、いわば、屋根の上の屋根をつくるようなものです。

通常のハンドルであれば、ライダーがハンドルを握る部分とコラムのクランプ部分は、近くにあります。
しかし、IDIOMはハンドル支持部分と、下段コラムパーツのクランプ部分までの長さは250mmほど、とんでもなく距離が離れています。

つまり、下段コラムパーツとフロントフォークのクランプ部分には、てこの原理で、凄まじい力が集約します。

純正パーツであればまだしも、サードパーティ製のパーツで仕様とは明らかに異なる固定方法を試みる、というのは危険過ぎるというものです。

これは。。。
やめたほうが良いですね。

サードパーティ製のパーツを使うのは諦めます。

GIANT 純正パーツを使う

純正パーツを使いましょう。
幸い、個人的にデッドストックしてあった純正パーツが1点だけありますから、それを使います。

これがGIANT 純正パーツです。

ここでは、便宜的に、短い方を下段コラムパーツ、長い方を上段コラムパーツと称します。

下段コラムパーツ

この作りが面白くて、内部中間に底があり、その底中央に穴が開いています。
そして、この穴に、ちょうどフロントフォークを引き上げるボルトが貫通します。
つまり、中間の底がいわばトップキャップのような役割を果たし、ボルトでフロントフォークを引き上げているのです。

また、画像ではわかりにくいですが、下段コラムパーツの内部は極めて肉厚に出来ています。
(サードパーティ製のものでは通常のコラムスーペーサーよりほんの少し厚くなったくらいです。)

作業開始

それでは作戦を変更して、再び作業開始です。

ハンドルの取り外し

ハンドルを取り外します。
レバーと各種ワイヤーが結合している場合、画像のようにひとまずフレームに引っ掛けて保持する。。。ということが多いと思われます。

しかし、ハンドル、ステムによって車体を傷つけやすいため、お客様の車体を傷つけないよう、細心の注意を払いましょう。
(誰向けのアドバイス!?)

ステム除去 下段コラムパーツ取付け

ステムを全て除去します。
下段コラムパーツを載せます。

ボルトで、フロントフォークを適切に引き上げ、固定します。

下段コラムパーツとコラムのクランプ部分が通常よりも少ないため、通常よりも強固に締め付けるべきでしょう。
パーツのつくりも、下方に力が集中しても良いように、極めて肉厚に作られています。

上段コラムパーツ取付け

上段コラムパーツを載せて、固定します。

フォークの回転チェック

通常のロードバイクと同じように、ガタが無いかどうか、フォークの回転を見ます。
ガタは無いですが、回転がやや渋いですね。

再調整

一度、上段コラムパーツを外して、下段コラムパーツの調整をします。

再度、上段コラムパーツを載せて、通常の車体でいうところの、コラムを固定します。

トルクレンチの使用

ここは指定トルクがあるようです。
5.5Nm

パークツールのトルクレンチ TW-5.2 ¥21,230(税込)で締め込んでおきましょう。


IDIOMのコラムパーツは、頑丈な部分と、そうでない部分がはっきり分かれていて、上段コラムパーツの上部は非常に脆いのです。
締め付けすぎると割れる!!という、恐ろしいパーツです。
(パーツ中間に割れ加工がなされているからだと思われます。)

工具の握りをくるくると回転させて、5.5Nmくらいにセットします。

パークツールのトルクレンチは本体しか販売されておらず、先端部分は別途用意する必要があります。
個人的には、BOSCHのものを愛用しています。


設定したトルク(ここでは5.5Nmくらい)を超えると、カクっとレンチの首が(少しだけ)折れます。
トルクレンチによっては、指定トルク以上になると空転してくれる、という親切設計のものもあります。

しかし、パークツールのトルクレンチは首が折れてもさらに回転させることは可能です。

そのため、このくらいが上限かな。。。というあたりで少しずつ加える力を増していきましょう。

トルクレンチといっても、いきなり思いっきり回転させるのはダメです。

説明になっておりませんが、ご自身の体験、経験を積み重ねる必要があります。

トルクレンチは、それなりにお値段のはる工具です。
アマチュアの方であれば、簡易的なものでも、無いよりずいぶんマシです。

今回は実験で、簡易トルクレンチである、TOPEAK(トピーク) コンボトルク レンチ ビット セット ¥2,9700(税込)を使ってみました。


これが、ボルトに差し込んだだけで、回転させていない状態。
簡易目盛りが0を指しています。

ぐぐっと力を加えていくと。。。
5-6Nmくらいでちょっとだけボルトが回転しました。
これでトルクが計測できる、という訳ですね。

前回の記事で言及しましたように、フロントブレーキを解放していたので、それを元に戻します。
また、トップキャップも載せておきます。

仮の完成 試乗チェック

よし!!
仮の完成です。

今回のカスタマイズ、最大の目玉である、音鳴りはしません。

作業前のもの
激しい音鳴りがしています。

お外で、試乗チェックをします。

ラッコ店長は足が短いため、サドルを下げさせていただきます。
まず、お客様のサドル位置を計測しておきます。

良好なIDIOM

すいすいと走ります。
良いですね、IDIOM。
コロナ前であれば、これが¥100,000くらいであったのですから、良い車体です。
(結局、¥143,000まで値上がりして、廃番となりました)

車体の微調整

試乗チェックすると、作業台では分からないことも分かります。

STIレバーの右が、意図的ではないとすれば、わずかに曲がっています。

何もSTIレバーは左右均衡にしなければならない、というルールがある訳ではありません。

しかし、お客様はこの車体がロードバイク型としては初めてのもので、それ以外はご存じない、と繰り返しおっしゃっておられました。
そうだとすれば、左右のSTIレバーの角度を意図的に変化させている。。。とは思われず、どの角度にするか自転車屋さんに一任しておられるのでしょう。

最近のトレンドは極端な内側寄りですが、リムブレーキモデルですし、クラシックらしく、まっすぐ基調にします。

ついでに、ライトの角度も真っ直ぐにしておきます。

クリーニング、コーティング

車体に少し汚れがあったので、軽くクリーニングをします。

また、軽くコーティングしておきました。
少し、ツヤが出るでしょう。

カスタマイズ前

カスタマイズ後
(ハンドル周辺のパーツが変更になっています。
フレームがつやつやしているのが分かります。)

完成

完成です!!

パーツ代 ¥8,800
作業工賃 ¥12,100
合計 ¥20,900となりました。

お預かりして、8日目で完成となりました。
(しかし、本記事を最初からお読みの方はご存知と思われますが、お問い合わせ、打ち合わせ、車体のお持ち込みと、今回のカスタマイズにはあれこれ時間がかかっています。)

本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。

本カスタマイズ 全ての記事 随時追加

GIANT IDIOM 折りたたみ機構を無くしたい / カスタマイズご依頼 打ち合わせ編
皆様、こんにちは!!ラッコ店長です。2026年7月29日 電子メール 不思議なお話ある日のことでした。島根県隠岐島を走行中、不思議な電子メールが届きました。私が2025年まで勤めておりましたbikeport新宿都庁前店さんで書いたブログをご...
GIANT IDIOM 折りたたみ機構を無くしたい / カスタマイズご依頼 試行錯誤編 その2
皆様、こんにちは!!ラッコ店長です。本記事はの続きです。パーツ発注 作業開始パーツを発注して、取り付け作業開始です。折りたたみステムを排除して、折りたたみではないパーツに交換します。本来であれば、GIANT純正のパーツを使うべきところ、お客...

https://racco-cycle.com/2026/10/01/giant-idiom-3/

コメント

タイトルとURLをコピーしました