国内の飛行機輪行 航空会社の選び方

輪行論

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。


国内の飛行機輪行、航空会社の選び方について述べます。
本稿は、あくまでも飛行機輪行をした場合、のお話でありまして、通常の旅行であれば、実はどの航空会社さんでも問題ありません。
(なお、ラッコ店長は100回以上の飛行機輪行経験があります)

いきなり結論から申せば、飛行機輪行に使いやすいのは、
日本航空 JALか、スカイマークエアラインズです。

可能であれば、この2社を使っておくとトラブルが少なくて済みます。

飛行機輪行で多いトラブルとは、まず、1 荷物検査に時間をとられることです。
次に、2 荷物を破損させられることです。
各航空会社ごとにコメントします。

日本航空 JAL

飛行機輪行ではもっとも使いやすい航空会社です。
荷物の扱いも丁寧、過度な検査もありません。
もちろん運賃が高いものの、早めに予約すればそれほどではありません。

窓口の方々が親切で、機内の方々も親切、丁寧です。
また、機内の設備が充実しており、有意義な時間を過ごすことができます。

リムジンバスの発着口はJALさんの窓口近くであることが多く、地味でありますが、この点も優遇されています。

また、マイナー路線(大変失礼)でも網羅しているため、必然的にJALしか選択肢がない、ということもあります。

スカイマークエアラインズ

窓口の方々は十分に親切です。
機内の方々も親切です。
とくに不満はありません。

設備は簡易的なものですが、価格を考えれば十分です。
しかし、一部機体は充電設備がないため、少しだけ不利です。

機内ではキットカットとコーヒーの無料サービスがあります。

神戸、福岡、鹿児島、沖縄、宮古島(下地島)に行くのであれば、圧倒的な価格競争力があります。
また、荷物検査も早く、それでいて荷物を壊された、ということはありません。
スカイマークがある路線であれば、この会社を最も好んで使います。

あえて苦言を申せば、webサイトに会員登録という制度が無いため、航空券を購入するときに、毎回氏名等を入力しなければならない、という手間があることでしょう(2024年に会員登録ができるようになりました。以後、毎回入力する必要は無くなりました)。

しかし、そのようなデメリットを補って余りある価格競争力で、ラッコ店長の最も好きな航空会社です。

JALとスカイマークでツーリングが完結できるのであれば、それで十分でしょう。

全日空 ANA

もちろん大手航空会社でございますが、こと自転車輪行には向いていません。
その理由は、ほとんどの空港で検査官が輪行袋をガバっと開けて、目視確認をするからです。
(JAL、スカイマークであれば機械に通して終わりです)

良いですか。
輪行袋というのは、一度丁寧にパッキングしてしまうと、中を展開する、ということはできません。
展開するのは、車体を組み上げるときだけです。

しかし、中を確認したい、(サドルバッグ、フレームバッグなどを指して)このバッグには何が入っているのか取り出してほしい、と輪行状態で要求されることがあります。

特に、飛行機輪行に慣れていない地方空港の場合、とんでもなく精密な検査を受けることがあります。
場合によっては保安検査に間に合わないレベルで検査が続きます。
もう、飛行機に乗れないのですが!?ということもあります。

他の航空会社では詮索をされない、ガスコンロを開けて見せてください、モバイルバッテリの容量を確認させてください、ということもありました。
そこまでする?というくらい、極めて入念です。

そして、この目視の検査官さん、というのはあまり人数がおられないようで、受付で、複数の飛行機輪行のお客さんが同時刻に集中した場合は悲劇です。
検査官待ちで30分くらい待たされたこともあります。

このように、早く空港についても手荷物検査で凄まじく時間がかかり、クタクタになるため、ANAは可能であれば使いたくないのです。

JALとANAを両方とも選択できる空港であれば、ラッコ店長は間違いなくJALを選択します。

ソラシドエア

チェックイン、荷物検査はANAが代行します。
つまり、上記ANAさんの箇所で述べたことがそっくりそのまま繰り返されます。
しかし!!
ソラシドエアの場合、年に何回か、ソラシドスペシャルというとんでもない航空券のセールをすることがあります。
九州まで¥7,000で行ける!!ということもあります。
このような大セールを頻繁に開催しているため、実はソラシドエアはしばしば使います。
検査がやっかいなのは事実ですが、お安さには代えられません。
JAL、スカイマークエアラインズよりも30分くらい早めに空港に到着すれば良いでしょう。

また、機内サービスのあごだしスープが美味しくて、好んでお頼みしています。


エアードゥ

チェックイン、荷物検査はANAが代行します。
手荷物検査はANAに準じます。
2024年からDOセール、というものを開始しました。
セール運賃であれば、選択肢に入るでしょう。

スターフライヤー

羽田空港、北九州空港はスターフライヤー独自のカウンターで手荷物を預けます。
特に問題はありませんでした。
しかし、それ以外の空港(福岡空港、関西空港、セントレア空港、山口宇部空港)はANAが代行するため、時間がかかる上に、パッキングを崩される可能性もあるでしょう。
とはいえ、スターフライヤーは結構好きです。

その理由は、機内放送にスターフライヤーマンというロボットが現れ、「ご質問がありましたら、私、スターフライヤーマン、客室乗務員にいつでもお尋ねください」、と真面目に放送しているところがクスっと笑ってしまうのです。
https://www.starflyer.jp/inboard/safetyvideo/

運賃もANAよりお安いことがほとんどで、羽田空港を使うことの多い私としては、機会があれば、スターフライヤーを好んで使います。


ピーチアビエーション

飛行機輪行には全くおすすめしません。
まず、安くないのです。
ピーチが安いのは、最低限の荷物で移動する時だけです。
重量物を預けたり、楽器、サーフボード、自転車等、通常のスーツケース以外のものを運ぶ時には、別途料金がかかります。
その料金が航空券代よりも高い、という本末転倒の状態に陥ります。
料金的なメリットが無いだけでなく、立地的にもどうでしょうか。

関東のピーチアビエーションは成田空港から出発、となります。
しかし、東京にお住まいであれば、羽田空港のほうが圧倒的に使いやすいです。

つまり、成田空港まで移動する時間、電車賃がもったいないのです。

さらに、いざ成田空港に到着したとしても、発着は成田空港第3ターミナルです。
これが実にやっかいで、空港カウンターまで1km近く、人間が足を使って移動する必要があります。
手荷物が何もなければまだ良いのですが、自転車やその他の装備を抱えて、これだけの距離を移動するのは非現実的です。
時間も体力も極めて必要になるでしょう。

また、ピーチと後述するJetstar以外の会社は荷物の上下指定というものができます。
しかし、ピーチにはこの指定はできません。
ロードバイクで一番脆いのはディレイラー付近でありますが、ここを真下に荷物を叩きつけられる、という可能性も甘受しなければなりません。

さらに!!
輪行袋に入れるとき、ハンドルをフレームに添わせる方向にしなければいけません。
これは、ハンドルバーの横幅を狭めて、少しでも体積を圧縮させよう、という意図なのだと思われます。

確かにマウンテンバイクであれば、ハンドルバーをフレームに添わせれば、多少は、省スペースになるでしょう。
しかし、飛行機輪行をしよう、というバイクは、ほとんど全てロードバイクであると思われます。

なぜなら、国内のマウンテンバイク人口は多くはないこと、飛行機に乗せたとしても、日本にはマウンテンバイクのコースが豊富とは言えず、マウンテンバイクで飛行機輪行する動機付けが少ないこと、だからと推察されます。

ロードバイクのハンドルバーは元々が400mm、420mmといった幅に過ぎません。
これをフレームに添わせたところで省スペースになるどころか、全長が長くなって、かえって邪魔になるでしょう。

さらに、ハンドルバーをフレームに添わせるためには、ヘッドパーツを緩める必要があるのです。
本来、ヘッドパーツはスポーツバイクの中でも、確実に固定しなければならない箇所です。

しかし、空港で作業するとなれば、簡易的なツールで作業せざるを得ません。
これではしっかりと固定することは難しいでしょう。

万一、ヘッドにわずかに緩みがあるにもかかわらず、そのまま走行したとすれば、フレーム、ヘッドを破損しかねません。
高級ロードバイクでフレームが壊れる、ということは、損失額は数十万円に及ぶ、ということです。

残念ながら、ハンドルを緩めてフレームに沿わせろ、という指示はおよそ有効なものとは思えません。

さらにさらに!!
ペダルを外せ、という指定もあります。
これもしんどいです。
スポーツバイクのべダルは、これまたとんでもないトルクで締め付けられています。
ペダルレンチという、おばけのようなレンチを使って装着するのですが、こんな武器のようなものを空港に持っていくことはできません。
重すぎます。

仮に持っていったところで、巨大な工具として没収されます。
行きは外すことができたとして、現地では装着できない。
どうすれば良いのですか。

これまた簡易的な小型アーレンキで装着することは不可能ではありません。
しかし、ハンドルと同様、トルクが足りなすぎるのです。
走行中にべダルが緩む可能性があります。
緩んだペダルのまま走行を続けると、クランク、ペダルを破損します。
そのときの損害額たるや、¥50,000、パワーメーターがついているような高級品であれば、¥200,000とか、凄まじい金額なります。

数千円の航空券代を節約するために、車体が壊れる。
安物買いの銭失いとは、まさにこのことでありましょうか。

加えて!!
タイヤの空気も抜け、と指定されます。
出先で7気圧まで上げるのは結構しんどいです。
また、エアがない状態ですと、タイヤ、チューブは衝撃に弱くなりますし、パンクのリスクも増えます。

上空だと気圧が下がるから、中の空気が膨張してパンクするかもしれない、という考えなのでしょうが、こと飛行機輪行をしたい、というマニアであれば、ママチャリとは比べ物にならない高級品、高品質なタイヤ、チューブをお使いでしょう。
それらの製品であれば、地上で7気圧のタイヤのまま上空にあがったとしてもパンクすることなど無いでしょう。
実際、ラッコ店長はただの一度も上空でパンクしたことはありません。
(もちろん、すでに壊れかけているタイヤであれば、パンクする、ということもあるでしょう。)

タイヤの空気を抜け、というのもほとんど意味がない積載条件です。

このように、非常に残念でありますが、ピーチアビエーションさん、後述するJetstarさん、スプリングジャパンさんは、自転車を積載する場合には、およそ非現実的な条件を課してきます。
私の勝手な推測でありますが、これらの要件は、顧客に飛行機に自転車を積載させないための方便ではないか、と思われます。

そういう訳でして、飛行機輪行の対象として、ピーチアビエーションは無い、というのがラッコ店長の結論です。

Jetstar

ピーチアビエーションとほぼ同様です。
一見すると航空券代は安いのですが、いざ自転車を載せるとなければ、スカイマーク他の会社と大差なくなります。
成田空港のアクセスが悪い、成田空港内でとんでもない距離を歩かされる、というのはピーチと同様です。
荷物の扱いもピーチと同様です。
ハンドルの方向、ペダルを外す、空気を抜く、というのもピーチと同様です。

ラッコ店長はJetstarで飛行機輪行は4回しかしたことが無いのですが、4回目にディレイラーを破壊されて以来、Jetstarに乗ることは無くなりました。

衝撃に弱いディレイラーハンガーが折れたというのであれば、まれにある事故、でありますが、私の場合は、ディレイラーそのものがねじ切られているという、ディレイラーを真下にして、車体ごと叩きつけたとしか言いようのない破損状態でして、ああ、この会社には預けられないなと痛感した瞬間でございました。

とはいえ、ロードバイクのようなイレギュラーなものを頼んだ私が阿呆であったのです。
頑丈なスーツケースだけであれば、それほどのトラブルなく旅行が可能でしょう。

Jetstarも飛行機輪行では、今後、使うことは無いでしょう。

スプリングジャパン

ピーチ、Jetstarと同様です。

なお、自転車は、事前に手続きを済ませておけば、空港窓口で¥2,250、¥3,000搭載可能です。
しかし!!
出発が成田であること、予約webサイトが凄まじく使いにくいこと、一見すると、航空券代が安いように見えますが、座席指定、手荷物預け料金を加算すると、全くお安くありません。

ハンドル、ペダル、タイヤの空気に条件がついていることもピーチ、Jetstarと同様です。

もちろん、どのような航空会社を使うかは、それぞれの方のお考え次第であって、私が強要するものではありません。
しかし、こと高級ロードバイクの輪行についてはスプリングジャパンさんの利用を全くおすすめしません。

なお!!
ピーチアビエーションさん、Jetstarさん、スパリングジャパンさんの名誉のために付言致しますが、ロードバイクを伴わない、純粋な徒歩旅の場合は、ピーチ、Jetstar、スプリングジャパンを使うこともあります。
あくまでも飛行機輪行には向いていない、というだけであります。

本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。

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