自転車 ソロ キャンプツーリング / 初めてのテント選び

ツーリング用品

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

本日は自転車の一人旅、キャンプツーリングで、どのようなテントを選ぶべきかについて述べます。
(なお、ラッコ店長は、日本全国、250回以上の野営経験があります。雪、風速15m以上の暴風下、気温40度から零下10度までの野営経験があります。)


まず、いきなりですが、結論から申し上げます。
1 予算が無い、というのであればもう仕方がありません。
その金額で購入できるテントを購入します。

2 ある程度の予算が確保できるのであれば、
(1) ダブルウォール
(2) 2人用
(3) 山岳用
テントを購入すべきと考えます。
費用は¥50,000くらいから、となるでしょう。


詳述します。
1 予算に成約がある場合は、通信販売でもなんでも、お安いものを購入するしかありません。
少し探せば、¥3,000といった格安価格で販売されているものが見つかるでしょう。
実はラッコ店長も、キャンプツーリングを始めた超初期には、¥10,000以下のテントを使っておりました。
そして、意外にも、なんとかなりました。

かつて使っていたテントです。
Amazonで¥3,000ほどで購入したと記憶しています。

しかし!!
お安いテントは厳しい状況では耐えられません。

まず、強風が吹いていないこと。
お安いテントはポール、テント素材に柔軟性が無く、ガイロープ(張り綱)も無い、貧弱であるため、風速5mを超えるとテントが潰されてしまうでしょう。
テントが潰されると、とても中で休息することはできません。
諦めて出発するか、風の防げる箇所にテントを張り直すか、屋根のあるお宿を手配するか、ということになるでしょう。

次に、雨が降っていないこと。
お安いテントは露骨に雨が浸水してきます。
生地に耐水性が無いことに加えて、防水の目止め、シームテープ等は施されていません。
豪雨が降ったとすれば、内部は水浸しになるでしょう。
少ない雨でも、水はけの悪い場所ではテントが水没します。
雨が降らない時期で、かつ雨が降らないことをお祈りする必要があります。

最後に、耐久性を求めないこと。
お安いテントは、極めて粗雑な作り、縫製、素材で出来ています。
こういったテントを100回、200回使おう、などと思ってはいけません。
10回使えれば上出来、とお考えください。

このように、初めてのキャンプであればそれほど厳しい時期、地域を選ぶ人はほとんどいないから、荒天に遭遇する確率は低い、
その結果として、お安いテントでもなんとかなっている、と思われます。
野営回数、経験が増えるほど、お安いテントでは危険、休息が不可能、という場面に出会うでしょう。

2 ところで、いきなりお話が大きくなりますが、世の中の製品、サービスというのは理由があってその値段が設定されています。

お安いテントは前述のように¥3,000とかで入手可能です。
しかし、アウトドアショップ等で売られているテントは¥30,000以上というのも珍しくありません。

同一の商品名がついているにもかかわらず、お値段が10倍以上違う、というのはもはや同一のカテゴリとは言えません。
別種のアイテムであると考えるべきです。
テントについても同様なのです。
品質、性能に雲泥の差があるのです。

(1) テントには、シングルウォール、ダブルウォールというものがあります。
シングルウォールというのは、テントの生地が1枚だけ、というものです。
利点としては、a 設営の時間を短縮することができる、b 比較的コンパクトにすることができる、c 比較的軽量にすることができる、というものがあります。

a フライシートを使うダブルウォールテントと違って、展開すればすぐに設営が可能でありまして、設営の時間を短くすることができるのです。
とはいえ、何十分も節約できるものではなく、良くて数分というところでしょうか。
土砂降り、極寒の設営時であれば、たしかに数分でも時間節約できるのは無駄ではありません。
しかし、自転車を使ったキャンプツーリングとなれば、設営前の時点でペダリングをしていたのでしょうから、少なくとも数時間は、雨に打たれ、寒さに震えている状態であると思われまして、設営が数分短くなったところで、ほとんど利点とも言えない、と個人的には考えます。

b 「比較的」コンパクトにできる、と申し上げたのは、それほどコンパクトでもないからです。
シングルウォールの場合、生地が一枚であるため、その一枚の生地にある程度の耐久性をもたせる必要があります。
そのため、フライシートの加算されるダブルウォールに比べて、極端にコンパクトにできる訳ではありません。

c 「比較的」軽量というのも同様です。
例えば、モンベルの山岳テントである、シングルウォールのマイティドーム2型とダブルウォールのステラリッジテント2型を比較してみます。
重量はマイティドーム 1.41kg、ステラリッジテント 1.43kg(フライシートを含めた場合)です。
シングルウォールの方が20g軽量です。
確かに。
しかし、自転車キャンプツーリングにどれほど有意な差があるのかはナゾであります。

シングルウォールの欠点は、すなわちダブルウォールの利点ともなりますが、a 結露しやすい b 破損した場合の交換が難しい c 前室が無い d 安くは無いとなります。

a まず、最大の弱点が結露です。
シングルウォールの場合、外気とテント内部の空気がシート1枚で触れ合うことになります。
そうなると、テント内は凄まじく結露します。
自転車ツーリングの場合、川沿い、海沿い、湖のそば、といった箇所で野営する機会が比較的多いと思われます。
高山や森の中と違って、これら水辺というのは湿度が高く、とくに結露がし易いのです。
雨!?というくらいテント内が濡れることがあり、それらの水滴はテント内部に置いてある衣類、バッグ、シュラフなどを容赦なく濡らしていきます。

結露のしにくい季節、場所であれば、悪くないと思いますが、自転車ツーリングは最高でも高度2,500mくらい、設営場所も先ほど述べましたように、平野部の方が多いでしょう。
毎晩結露に悩まされることになるため、これがシングルウォール最大の弱点です。

b 破損した箇所の交換が難しい、というのは少し意地悪な指摘です。
ダブルウォールテントであれば、焚き火等でテントに穴が空いたとしても、フライシートの交換だけで済むことがあります。
テント本体を交換するよりも安く済むでしょう、という指摘です。
その通りでありますが、そうそう穴が開くことも無いかな。。。というのが実感であります。

c ダブルウォールテントであれば、フライシートがテント本体よりもグイッと伸びて、小さな空間を作り出してくれます。
前室、と称しますが、ここに荷物を置くことで室内を広く使うことが可能になります。
また、シューズを室内に持ち込まなくて良いため、テント内部の汚れを防ぐことが可能です。
さらに、前室で調理することも可能で、このちょっとした空間が実に役立つのです。
しかし、シングルウォールテントであれば、前室は無いため、靴も室内に持ち込むことになるでしょう(もちろん、テント外に置いても良いです)。

d シングルウォールテントは少しでも結露を防ぐべく、透湿性の高い生地を使うことがあります。
具体的にゴアテックス、あるいは類似の生地です。
水蒸気は通すけれども、水滴は通さない、という素材です。
しかし、これらの高機能素材はおしなべて高価です。
再びモンベルの例を致しますが、シングルウォールのマイティドーム2型は¥93,500(税込)、フライシートを含めたダブルウォールのステラリッジテント2型は¥53,900(税込)です。
2倍近い価格差があります。
むうううう。
お値段は目をつぶるとして、ラッコ店長個人はシングルウォールで助かった、という場面に一度も遭遇したことがありません。
逆に、ダブルウォールで助かった、という場面はいくつもあります。
そのため、シングルウォールテントはまったくおすすめしません。

とはいえ様々なアウトドアブランドはシングルウォールテントを開発、販売しておられる訳で、高山の山登りといった分野では明確な恩恵があるのかもしれません。


(2) よく言われることですが、人数分+1のテントを選ぶと内部空間が広く、快適に過ごすことができます。

自転車一人旅の場合は、二人用テントが使いやすいでしょう。
とはいえ、夏場等、荷物が少ない場合には、一人用のテントでもなんとかなります。
小さいテントは内部空間が少ないため、温まりやすい、という利点もあります。
もちろん、二人用テントよりも、小型、軽量です。

一番最初に購入する、というのであれば汎用性の高い、人数に余裕のあるテントが無難でしょう。
複数のテントを使いこなす、ということであれば、一人用、二人用と細かく買い揃えていくのが良いでしょう。


(3) 山岳用テント、というのはあまり意味のある条件ではありません。

しかし、Amazonさん、楽天さん等で格安に売られているテントは、宿泊はできません、雨天時は使えません、といった注意書きのされているものもあります。
それらのテントは、ピクニック、公園等の日除けとして使うアイテムであって、風雨にさらされながら宿泊する、という用途は想定されていないのです。

これに対して、山岳用テントと銘打っているものであれば、少なくとも雨、風は防げる、という一つの目安になります。
また、軽量化にもある程度の気配りがされている、と期待できるでしょう。


これらの条件を満たすテントは、無数にあると思われますが、無難なものをおすすめするとすれば、mont-bell ステラリッジテント2型です。

最初の1張りは、このテントにしておけば、四季を通じて、北海道から沖縄まで自転車ツーリングで困ることは少ないでしょう。
台風クラスの暴風、土砂降り、積雪でも耐えることが可能です。
テント本体の耐久度も高く、ラッコ店長はステラリッジテント2型を150回以上使用しておりますが、未だに壊れておりません(ポール内部のショックコードだけ交換したことがあります。)
(本稿では省略致しますが、mont-bell クロノスドーム、ムーンライトテント等も悪くはありませんが、お値段が安いという点を除けば、ベストではないと考えます。)

仮に、ツーリング中に損傷、トラブルが生じたとしても、mont-bellストアは全国に展開しているため、補修部品の入手が容易というメリットがあります。
海外ブランドですと、出先ですぐにパーツを入手する、というのは難しいこともあります。

本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。

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