自転車キャンプツーリング / 初めてのスリーピングマットの選び方

ツーリング用品

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

キャンプツーリングをするにあたって、重要なアイテム、スリーピングマットについて述べます。

まず、結論から申し上げます。
初めてのスリーピングマットには、内部にフォームがあり、さらに空気を充填するタイプで、R値3前後のものが使いやすいです。


1 マットが必要な理由
(1) マットの役割で重要なのは、断熱です。地面に熱を奪われないようにします。
(2) 次に、地面のおうとつを吸収し、体の圧迫を軽減することで、眠りやすくする、睡眠の質を上げるといった役割です。


2 (1) まず、断熱でありますが、これにはR値(あーるち)というものが参考になります。
a) 基本形として、
R値
1-2 夏場
3 春秋
5 冬
6以上 厳冬期
といったものでしょうか。

b) しかし、R値は一定の目安になりますが、必ずしも絶対的なものではありません。
といいますのも、地面の状況によって、熱の奪われ方がまるで違うからです。

継続的に雨が降って、地面が濡れ続けているいるような場合(水はけの悪い湿地にテントを張る、砂利の上にテントを張り、すぐ真下が水面になっている等)には、とんでもなく熱を地面に奪われます。
たとえ夏場であったとしても、R値の高いマットが必要になるでしょう。

地面がアスファルト、コンクリート、硬い土の場合。
自転車を使ったキャンプツーリングの場合、徒歩の登山とは異なって、都市部で野営をしなければならないこともあります。
そうなりますと、アスファルト、コンクリートといった上にテントを張ることもあります。
さらには、良くも悪くも非常に整形された地面にテントを張る場合もあります。
このような地面は、放射冷却が激しく、熱がぐんぐん奪われていくため、濡れている地面ほどではありませんが、R値の高いマットが必要になります。

逆に、地面に乾いた葉が敷き詰められている場所(多くの場合は山林など)は葉が断熱してくれるため、温かく、R値の低いマットでもしのげます。
また、芝生も断熱効果が高いため、おすすめの野営地です。

c) 複数のマットを重ねることで、R値を稼ぐこどができます。
例えば、R値0.5と3のマットを重ねると3.5相当になります。
これを応用することで、夏用マット R値 1-2相当、春秋用マット R値 3相当などを組み合わせることで、冬用マットに相当する性能を実現することができます。

私も複数のマットを重ねて使うことがあります。

とはいえ、やはり専用の冬用マットにはかなわない部分もあります。
というのも、複数のマットを重ねると、寝ている間にずれて、用をなさないことがあります。
また、ずれるのに近いですが、変にモコモコして寝づらくなったりします。

(2) 地面のおうとつを吸収して、体の圧迫を軽減する、というためには、マットの厚さが必要です。
100円ショップで売られている、銀色のマットはおおむねR値0.5くらいで、私も夏場に使うことがあります。
しかし、あまりにも薄手、ぺらぺらで、地面のおうとつを吸収するのはほとんど不可能です。

厚みという点では、空気注入型のマットであれば重量増を抑えたまま、分厚くすることができます。
空気注入型のマットにも2種類あって、完全に空気だけのものと、フォーム(ある程度固く、しっかりした詰め物)が入ってさらに空気も足すものがあります。

完全に空気だけのものはね地面のおうとつが吸収しやすくなるのが利点ですが、分厚すぎて寝づらい、ということもあります。
また、これは私だけなのかもしれませんが、寝相が悪い場合、マットが転げ落ちて、その時の衝撃で毎回目が覚めます。
さらに、R値がそれほど高くない製品が多いです。
(中にはふわふわの綿のような素材を充填して、可能な限り重量増をせずにR値を稼いでいる、という製品もあります。)

フォームがあって、さらに空気を注入するものは、厚さと断熱性を兼ね備えた万能タイプです。
このタイプが一番無難、最初の一枚には使いやすいでしょう。

また、フォームだけ、という製品もあります。
空気を入れることができないタイプです。
丸めて収納したり、パタパタと畳んで収納します。
他のタイプと比べて、お値段がお安いことが多く、厚さと断熱性もある程度備えているため、悪くない選択肢です。
しかし、キャンプツーリングの場合、荷物の積載量が限られることが多く、コンパクトにできないフォーム型は万能、とは言い難いでしょう。
とはいえ、お値段の問題から、まずはフォーム型から入る、というのはありだと思います。


3 ラッコ店長の個人装備
冒頭でも述べましたように、マットは極めて重要です。
ラッコ店長は、

100円ショップの銀色マット2枚 (R値 0.5*2くらい?)
mont-bell U.L. コンフォートシステム エアパッド 150 (R値 1.4)
mont-bell U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 150 (R値 3.2)
mont-bell キャンプパッド 38 150 (R値 4.9)
mont-bell エクセロフト エアパッド 150 (R値 5.0)

を使っています。
100円ショップの銀色マットは、テントの床面の保護、という意味合いが強いです。
テントマット代わり、というところでしょうか。
猛暑のときには、この銀色マットだけでもなんとかなります。

mont-bell U.L. コンフォートシステム エアパッド 150 (R値 1.4)は空気を注入するだけのマットです。
R値は低く、夏専用と言えましょう。
エア注入式マットは人を選ぶと思います。
私は寝相がとても悪く、寝ているあいだに、ころーんと落ちて目が覚めてしまうのです。
そのため、マットの横に衣類、何か物を敷き詰めて段差をなくしています。
寝相の良い方であれば、使い勝手がよろしいかもしれません。
とはいえ、軽く、小さくできるため、使う機会は多いです。

mont-bell U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 150 (R値 3.2)
このマットが一番の万能です。
25mmの厚さのフォームが入っていて、かつ空気注入式です。
R値も厳冬期でなければ絶えられる性能がありますし、ある程度の地面のおうとつも吸収できます。
大きさ、重さも比較的コンパクトです。
迷ったときは、このマットか、他ブランドの似た性能のものをお探しになると良いでしょう。

mont-bell キャンプパッド 38 150 (R値 4.9)は冬場に使います。
マットの頭、足部分が狭くなっておらず、寝相が悪くても平気です。
狭すぎるマットは冷気が侵入してくるため、R値ほど暖かくはない、と個人的に考えます。
かなりかさばるため、重装備になりがちです。

mont-bell エクセロフト エアパッド 150 (R値 5.0)は2023年に発売された新製品で、空気注入式ながら、内部にふわふわの素材が充填されていて、重量増を可能な限り抑えている、というモデルです。
ふわふわ素材が熱を保持、断熱してくれるため、単なる空気注入式モデルよりも温かいです。
それでいて、フォーム型よりは充填素材の重さが減るため、軽くなっています。
R値が高く、断熱性は良いです。
あとはエアパッドの共通する弱点として、寝相が悪いと落ちる、というものでしょうか。

なお、マイナス5℃を下回るような厳冬期には、複数のマットを併用することがあります。


本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。

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