皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
良い本に出会えたのでご紹介致します。
ロードバイクの素材と構造の進化
という本です。
枝葉末節の指摘
まず、この本の著者は高根英幸さんとおっしゃいまして、クルマ雑誌のライターさん、ドライバーさんで、数多くの雑誌でも記事を書いておられる方です。
文章力は高く、論理的な文章を書ける方(なんとも私の方が偉そうでありますが。。。)とお見受けしました。
ご自身でもロードバイクにお乗りになるそうですが、やはりスポーツバイク記事の専門家ではないためか、ところどころ、おや?と思う部分はありました。
例えば、
P27
「ロードバイクの場合、常に足に体重をかけていないと、すぐにお尻が痛くなってしまう」という記述。
これはポジション、ジオメトリにもよりますね。
お尻が痛くなるとは限らないよ!?と思われます。
抽象的な一般論として考えたとしても。。。そこまでお尻が痛くなるかな!?とも思われますが、著書のごく一部の記述だけをあげつらっても建設的ではないでしょう。
P75
「ドイツのBMC社が」という記述。
自転車マニア、いじわるな自転車おじさんであれば、脊髄反射的にツッコミたくなる箇所です。
BMCさんはスイス創業のブランドで。。。というそれだけです。
しかし、著者さんが誤解されていても良いではないですか。
どのブランドがどの国の発祥で。。。なんて正確に覚えても、人生、楽しくはなりませんよ、なんて思います。
それに、今やブランドの発祥国と実際の生産国がズレるなどは当たり前でありまして、どの国のブランドという思考法自体、旧世代(大変失礼)であると考えます。
注目するとすれば、そのマシン自体の性能です。
お話が脇にそれました。
P117
「全身の力をペダルに込めやすい構造のロードバイクは」という記述。
この記述も自転車ライターであればしない表現、到達しない思考法であります。
もし全身の力を使うのであれば、上半身やハンドルにも力が入りますし、ペダルは回転、引足も使うもので、力をペダルに集中させる!!とも受け取れるこの一文は、どうかな。。。と思われますが、冒頭で述べましたように、ライターさんの専門は、そもそもクルマです。
あれこれ言わなくても良いでしょう。
本書の主眼は、ロードバイクの「素材と構造の進化」ですから。
本論
文章そのものに価値がある
まず、世の中で流布している自転車、ロードバイクに関する記述は、ほとんど全て「売らんかな」つまり、商品、サービスを売りつけるのが主目的のものばかりです。
自転車雑誌が顕著で、レビュー記事は、紹介している商品を売りつけるための文章と言って過言ではありません。
そのため、欠点にはほとんど触れず、いかにこのモデルが優れているか、改良されているかを重点的に、さも良い点しかないように紹介していきます。
そして、これは買いだ!!という結論へ強引に結びつけていきます。
買わせるのが目的ですから、論理なんて関係ないのです。
(もっとも、本記事自体が、本書の購入を勧める記事です。)
しかし、本書は特定の商品を売りつけることを主目的とはしていないと思われます。
読んでいて、不自然な力の入り方、論理というものがありません。
たんたんと各種技術、歴史などを紹介していきます。
自転車関連の文章として、最近は珍しい、ありがたいといいますか、純粋に文章の内容に価値がある、ためになる、という内容なのです。
もちろん、本というのは、これが当たり前なのかもしれません。
しかし、自転車関連の記事、文章にばかり触れていると、つい忘れてしまう、衝撃に近い感動を受けました。
記述内容も広く、自転車の始祖とも言うべき19世紀に発明された車両から、最新の(出版が2020年であるため、この時点まで)エアロロードバイク、グラベルバイクの解説までなされています。

画像引用 グランプリ出版

画像引用 グランプリ出版

画像引用 グランプリ出版
著者さんがクルマ雑誌の専門家ということもあってか、カーボン素材への言及が詳しく、非常に勉強になりました。
カーボンシートの製造方法から、フレームの成形方法まで、詳しく記述されています。
もちろん、本書は一般書ですから、工場の現場で働いておられるような専門家の方向けのものではなく、あくまで入門的、初歩的な内容にとどまっています。
文体が気色悪くない
自転車雑誌で往々にして拝見するのですが、短い記事、コラムでライターの存在を印象付けたいと思っているのか、
記事の文体が突飛
読み手を驚かせたいと思っているのか、起承転結がむちゃくちゃでいきなりハイライトを冒頭持ってくる
自己陶酔しているのか日本語、自転車業界としてもまだ普及しているとは思えない外来語を多用する
などなど、この記事は読者に内容を伝えたいのか、ライターの自己顕示欲を満たしたいだけなのか、どちらですかと問いたくなるような記事がたくさんあります。
本書には、そのような気色悪さがありません。
たんたんと、文章を書いておられ、極めて好印象です。
もしかしたら、没個性的とか評価されるのかもしれませんが、文体の異様さで個性をアピールするなど、表層的、表面的な技巧にすぎず、つまらないものだと考えます。
結論
自転車関連の書籍として、ぐうううっと引き込まれたと言いますか、読んでいて苦痛ではない本に、珍しく出会いました。
ロードバイク、スポーツバイクが好きで、表面的なうんちく以外に興味のある方におすすめします。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。
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