GIANT創業者 劉金標さん 逝去に思う / GIANT車体 コストパフォーマンスが高いという理由 販売店側の視点も加えて

ラッコ店長
画像引用 Giant Manufacturing Co. Ltd.

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

劉金標さん 逝去

2026年2月17日、GIANTの創業者、劉金標さんが亡くなりました。
GIANTグループを一代で、世界的な自転車企業に押し上げた偉人さんでした。

1972年、台湾で創業されたGIANTは、今やスポーツバイクの生産量で世界ナンバーワンの企業に発展しました。
そして、最新技術の開発、品質という点でも2017年 ジロ・デ・イタリア優勝、 2026年の現在も、UCIワールドチーム(Jayco AlUla ジェイコ・アルウラー)に機材提供を続けるなど、世界レベルでも指折りの会社になりました。

画像引用 https://www.japancup.gr.jp/


劉さんは、商才に優れた経営者というだけではなく、2007年、劉さんが73歳のときに台湾一周をして台湾一周ブームの火付け役となり、2012年には日本のしまなみ海道を走破し、しまなみ海道の認知度向上に多大な貢献をなさるなど、その行動力、活動力も素晴らしい方でした。

単なる製品を作り出す人、というだけでなく、その製品を使って何をすべきか、どのように使うべきかという方向性も提示できる、自転車文化の偉大な伝道師だった、と言えましょう。

コストパフォーマンスが高い 具体的な意味

ところで、GIANT車体については、「コストパフォーマンスが高い」といった表現がされることがあります。
そして、その一言だけで終わり、具体的な理由については詳述していない記事が散見されます。

同じ値段であれば、GIANT車体は良いパーツ、フレーム、ホイールを使っている、という意味と思われます。

本記事では、自転車屋さんの視点から、GIANTの特徴、「コストパフォーマンスが高い」の内容について記します。

よくある規格を使う

GIANT TCR Advanced 0 ¥550,000(税込)

画像引用 https://www.giant-bicycles.com/jp

GIANTは基本的に、業界で普及した規格、パーツを好んで採用します。
つまり、よくある構成、形、パーツ類なのです。

そのため、他社さんが差別化のために取り入れる、それ、本当に実用的なの!? ただの気まぐれ機構じゃない!? といったギミックをほとんど採用しません。
また、デザインについても、それ、本当に必要なの!?という無駄といいますか、ブランドの個性といいますか、そういうコスト増になる遊び心をほとんど載せてきません。

ゆえに、GIANTはつまらない、面白くないと、日本市場ではうんちくおじさん(大変失礼)に人気がないのでは。。。と推察します。

私も、上記の要素は否定しません。

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走ることの合理性を追求

GIANTは愚直に走ることの合理性を追求したブランドと言えましょう。
冒頭で述べました、劉金標さんの行動のように、GIANTは車体を眺める、モノとして価値を追求するというよりも、車体を使って何をするか、どう走るかという点に重きを置いているブランドと推察します。

ゆえに、走行性能に直結しない要素に、それほど熱意を注がないのだと推察します。

補修パーツが豊富、安価

販売店からの指摘としては、GIANTは補修パーツの展開が豊富です。
細かなパーツまで取り寄せて、修理することが可能です。
ブランドによっては、補修パーツというものを展開しておらず、一部分が壊れたら終わり、車体まるごと買い替えて下さい、というものもあります。

また、補修パーツの値段も他社さんと比べて圧倒的に安価、良心的です。

他社さんだと、ボルト1本で¥2,000とか普通にありますが、GIANTの場合はそこまで高くはない。
その理由は、規格を可能な限り共通化していることと、バイクの生産量が多いので補修パーツも低廉に抑えられるからだと推察します。

GIANT車体であればメンテナンス費用をお安く抑えることができる、とうわけですね。

工賃を安く、工期を短くすることができる

さらに、工賃という点でも差がでてきます。

各ブランドが特徴づけようと独自規格のパーツ、フレームを作った場合、専用の工具、というものが必要になるのです。
専用工具が必要となれば、わざわざ特定の車体を修理するために、その工具を購入、保持しておかけなればなりません。
そのコストが販売店には、バカにならない。

GIANTの場合は、専用工具が無いとダメ、という部分がほとんど無いため、汎用的な工具で対処可能なのです。

こういった細かな点もGIANT車体については工賃を安く抑えることができる、という「コストパフォーマンスが高い」という事実の一面でしょう。

また、そのブランド、車体専用の工具が必要となると、工具が無いショップは調達しなければならず、調達する時間がかかります。
しかし、専用工具が不要な汎用的な規格で組み上げられていれば、たいてい、どのプロショップでもすぐに修理可能となります。

修理期間が短く済めば、お客様もすぐに車体に乗ることができて、ありがたいことなのです。

この、修理期間が短くて済む、というのも「コストパフォーマンスが高い」という一面でしょう。
せっかく高級車を買っても、修理に二ヶ月かかりました、とかであればその間、乗ることができないのですから、お客様の側としては、大変な損失と言えましよう。

また、販売店側からしても、修理期間が短く済めば、車体を保持しておくスペースの確保も短くで良くなります。

都内テナント費用は凄まじく高価ですから、車体1台分のスペースといえども、常にとんでもない金額の地代、費用を支払って確保しているのです。
修理期間が短いほど、修理車体のための、実質的な地代支払いを抑えることができて、ありがたいのです。
また、車体を保持するだけでもキズをつけないように、倒さないようにとスタッフが特別な注意を払う必要がありまして、これもコストと言えるでしょう。

修理期間が短ければ、このようなコスト増を抑えることが可能で、ゆえにGIANT車体は「コストパフォーマンスが高い」と言えるのです。

販売店側の視点 仕入価格が安い

これは完全に販売店視点、お客様の側からは知ったことではない、という事情ですが、スポーツバイクのブランドというのは、全て同じ仕入れ値ではないのです。
お客様の側からすれば、例えば、Pinarello ピナレロ、COLNAGO コルナゴ、Cervélo サーヴェロなどの高級ブランドの方が値段が高いし、お店にも利益が出るでしょうと思われるかもしれません。
しかし、実際は真逆です。

高級ブランドは、ブランドの力が強いので、誰が売ってもある程度は売れるのです。
つまり、販売店の営業努力がそれほど必要ではない。
そういう商品の場合、輸入代理店の発言力が強くなりまして、販売店に分けてもらう利益がどんどん減っていくのです。
(要するに、仕入れ値が高い、掛率が悪い、ということ)

GIANTの場合、車体の合理的な性能は世界一と個人的には考えますが、日本市場ではそのように評価する人はむしろ少ないのです。
車体の素晴らしさを積極的にお客様にアピールする必要がありまして、販売店の努力もそれなりに必要になります。
こうなると、上記とは逆で、販売店が頂ける利益の割合も増えていくのです。
(要するに、仕入れ値が安い、掛率が良い、ということ)

GIANTは高級ブランドに比べると完成車価格がお安いのですが、お店に残る利益はむしろGIANTの方が大きい、という場合もあります。
このように、GIANTは営業資金を効率的に運用できる、という点で、販売店としては「コストパフォーマンスの高い」優れたブランドなのです。

様々な合理性の高さ

このように、GIANT車体には、販売店側にも様々なメリットがあり、ひいてはそれがお客様へも還元されて、結果としてGIANT車体がコストパフォーマンスの高い車体に出来上がっているのです。
私個人も、自転車店を経営するにあたって、どれか一つだけ商材を決めろ!!と迫られるのであれば、GIANTと答えるでしょう。



本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。

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