皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
本記事は

の続きです。
2025年3月19日、CYCLE SPORTS (サイクルスポーツ) 2026年 5月号が刊行されました。
感想、書評を致します。

画像引用 サイクルスポーツ
エルヴス ウィンスペース クイックプロ ヨーレオ カンプ 中国ブランドの論評
自転車屋さんとして、もっとも関心があったのは、
P68 ロードバイクの今のを考える チャイニーズブランドの現在地と目的地
です。
ELVES エルヴス
WINSPACE ウィンスペース
QUICK PRO クイックプロ
YOELEO ヨーレオ
CAMP カンプ
といったブランドを取り上げています。
まず、サイクルスポーツさんといったメディアや多くのプロショップは上記ブランドを論外でしょ(凄まじく失礼)といった風潮で、意図的に無視しているように思われました(思われます)。
それは、あまりにも新興勢力、勃興が著しいので、その急変に気づいていない、あるいは気づいていたとしても認めない、というある種の拒絶反応が起きているからだと思われます。
本号は、自転車業界のタブー!?である、格安(これまた凄まじく失礼)中国ブランドを正面から取り上げた、という意味で、革新的、革命的な企画です。
私見 中国ブランドが自転車業界のタブーである理由
利益にならない、商材ではない
なぜ自転車業界のタブーであるのか、その理由を推察しますと、上記中国ブランドは新興勢力であるゆえ、国内の販路というものがまだ確立していません。
ゆえに、メーカー直販、ネット通販などを主力にしています。
そうなると、国内の代理店、卸会社の利益にならなくなりますし、小売店も出番が無くなります。
ようするに、自分たち(国内代理店、小売販売店)の商材ではないので関係が無い、自分たちのシマを侵略する外敵!!と認識されるようになります。
これが、自転車業界から中国ブランドが無視、敵視されている第一の理由でしょう。
玉石混交、一律排除
第二の理由としては、中国ブランドはまさに玉石混交で、上記
ELVES エルヴス
WINSPACE ウィンスペース
QUICK PRO クイックプロ
YOELEO ヨーレオ
CAMP カンプ
などは激烈な競争に生き残った優等生でありますが、極めて粗悪、ほとんど詐欺に近いような品質の中国ブランドというものも存在しているのです。
代理店、販売店としては、お客様が使うパーツの一部分であったとしても粗悪品が混じってしまえば、バイクの安全性、性能を損ないかねません。
スポーツバイクの場合、一度でも事故が起きると、とんでもない物的損害、人的損害が発生しかねませんから、極めて安全性重視、信頼性重視で品物、ブランドを選びたくなるのです。
つまり、君子危うきに近寄らず、というわけです。
ゆえに、中国ブランドは、一律拒絶する、という安全策、心理状態が働いているのです。
実際、中国ブランド、通販ブランドのパーツ、車体は修理、カスタマイズなどを受け付けない、という方針のショップは多いです。
そして、そういう方針は保守的ではありますが、上記のように、理由が無いわけではないのです。
ブランドイメージが低い
第三の理由は。。。もしかしたらこれが本音かもしれません。
中国大陸の人々に対して失礼な物言いになってしまうことを平にご容赦ください。
残念ではありますが、こと、ロードバイクにおいては中国ブランドというのものは高級感、高品質感がありません。
(その理由については後述致します。)
安物というイメージが常についてまわります。
そのようなアイテムをメインに取り扱っているショップというのは、ショップ自体のブランドイメージを下げ、お客さんの単価もさがり、あり得ないほど失礼なことを承知で申し上げれば、客単価が低いお客さんはスジが悪くなる、クレーマーが増えていくので、安いアイテムを扱いたくないのです。
扱っていたとしても、裏メニューのような形で、ひっそりと販売していくことになります。
これらの理由で、自転車業界は、中国ブランドはあっても無いものとする、という態度をしてきたと推察します。
CYCLE SPORTS 2026年 5月号 本記事の内容
中国ブランドは悪くない、に終始
このように、タブー視されている中国ブランドを取り上げた、という意義は大きいです。
しかし、内容は残念です。
5つの車体をレビューしておりますが、そもそもサイズや価格がバラバラの車体を2人のレビュアーが乗って、主観的な感想を書いておられます。
比較することすらできませんし、漠然と、このモデルは悪くない、これでもいい、これで十分だ、ほとんど気にならない、といった抽象的なレビューに終始しています。
それはそうでしょう。
ポンと一つのモデルだけ渡されて、それも何十時間、何日も、あらゆる条件を試すわけでもなく、ちょろっと乗っただけで車体の良し悪しなど分かるはずもない。
以下の記事でも取り上げたように、私自身は、自転車雑紙の車体レビューを礼賛していません。

それは良いとして、中国ブランドは買いだ!!
もはやこれしかない!!
となるかと言えば、さにあらず。
悪くない、という結論に達しています。
中国ブランドが悪くない理由
結局、中国ブランドが欲しいのではなく、本当は欲しいヨーロッパブランド、北米ブランドが高すぎるから、中国ブランドで十分というのがレビュアーの本音でしょう。
本誌レビュアーのお二人は、様々な媒体に登場しておられますが、そもそも、お二人自身が中国ブランドの熱心な愛好者であるとは聞いたことがない。
他人には、悪くないよと言っておくけれども、自分自身は決して使わない。
中国ブランドはそういう立ち位置のブランドになっています。
その理由はよく分かります。
上記
ELVES エルヴス
WINSPACE ウィンスペース
QUICK PRO クイックプロ
YOELEO ヨーレオ
CAMP カンプ
といったブランドは、前述しましたように、この20年くらいで無数に立ち上がった中国ブランドの生き残り、優等生です。
みんな大好きヨーロッパブランド、北米ブランドは、これらの会社にOEM生産してもらって、費用を節約しているのです。
このように、OEMメーカーは、日々、一流ブランド、メーカーの下請けをして、技術が蓄積され、十分な品質を出すレベルまで上がってきました。
そして、独立心旺盛な会社は自社ブランドを立ち上げて、独立していきます。
しかし!!
どこまで行っても、OEM生産で得た知識、技術でしかありません。
一流ブランドのモノマネ、一流ブランドが自社で考え、開発し、試行錯誤して到達した最前線、最高峰ではなく、あくまでも後追い製品なのです。
(一部、中国ブランドは積極的にレースにも機材提供をして、モノマネの域から脱しつつあります)
これが、良い(最上)ではないけれども、悪くない、という根源です。
本音の、ロードバイクの選び方
価値観が重要
以下の記事でも書いたことがありますが、日本におけるロードバイクの選び方には、ある特徴があります。

それは、ロードバイクを選ぶ基準として、性能だけではダメだ、という価値観です。
本来のロードバイクの選び方
ロードバイクは本来、ロードレースに勝つための機材、道具です。
ゆえに、レースで勝てることが求められます。
それだけでほとんど完結しています。
アマチュアが選ぶロードバイク
しかし、ほとんどのホビーライダーはレースに参加しません。
あるいは参加したとしても、それで生活をしているわけではありません。
つまり、実はレースに勝てなくても良いのです。
なぜなら、レースに出ないからです。
基本性能の高さ
しかし、レースに出れば勝てる性能を持っている、潜在能力を持っている素晴らしい車体に自分は乗っているんだ!!
嬉しい、楽しい、という気持ちが湧いてきます。
そして、そんな機材に乗ってるボクって、凄いでしょ!?と見せびらかしたくなるのです。
このようにして、ロードバイクの選び方、好まれ方というのは、以下のように変化、変形していきます。
まず、基本的な性能が高いことが必須であります。
基本性能が低いロードバイクなんて、そもそも論外、鼻であしらわれるでしょう。
周囲が凄いと分かる仕掛け
価格
次に、乗ってるボクちゃん凄い、と周囲に分かってもらうための仕掛けが必要です。
高性能なだけでなく、高価であれば高価であるほど、乗ってるボクちゃん凄い、と思ってもらえます(少なくても乗っている本人はそう考えている)。
それには、パッと見て高価な車体であることが分かる必要があります。
自転車の専門家でなくても、いかにも高そうだ!!というオーラ、フレームの形状、ペイントなどがされている必要があります。
権威、伝説、伝統
そして、周囲の人々を唸らせる、従わせるには、高性能、高価なだけでは不十分です。
人々というのは、単にカネ、物理的な強制力だけで従うものではありません。
深い敬意を抱かせる、心服させるには権威、伝説、伝統が必要なのです。
ロードバイクでいう権威とは、昔からあるレースでの勝利数、優勝経験、機材提供実績、著名選手が使っていた、使っている、ということでしょう。
また、業界をリードする技術力、開発力、デザイン力などを持っている、ということも権威付けには必須です。
他社の技術をモノマネするだけでは、権威というものは備わりません。
ところで、ブランドの古さは必須ではないと考えます。
数年前にできたブランドです、と言われると、エッ!?となりますが、20年、30年も歴史があれば十分ではないでしょうか。
100年前のからあるブランドと言われても、ロードバイクの世界ではそれほどありがたいとも思われません。
このように、伝説、伝統というのは、一朝一夕に積み上がりません。
ブランドを立ち上げた人の選手時代の伝説であったり、フレームビルダーの素晴らしい業績であったり、そのブランドを使ってどれだけの名勝負、名場面が繰り広げられたかといった歴史などです。
私見 結論 中国ブランドが悪くない理由
中国ブランドは基本的な性能は十分といえるほどの品質を備えていきました。
そして、圧倒的な価格的優位性があります。
しかし!!
少なくとも2026年現在の中国ブランドには、まだまだ権威、伝説、伝統があるとは言えないでしょう。
超合理的サイクリストの方であれば、迷うこと無く中国ブランドを選ぶことでしょう
しかし、多くの人々はそうではない。
とくに、日本市場でロードバイクに乗っているのは40代、50代以降のおじさん(凄まじく失礼)で、それなりにお金を持っています。
しかし、走るという実力だけでは勝てなくなったおじさんというのは、権威、伝説、伝統というものにすがりたいのです。
実際、東京の多摩川、江戸川、荒川などのサイクリングロードを御覧ください。
凄まじい高級車のオンパレードで、特におじさんが乗っている車体は高級車だらけです。
2022年、2023年と少し古いデータになりますが、一般財団法人 自転車産業振興会さんが公開しておられる全国規模の自転車店 販売統計です。
東京のロードバイクは、¥300,000以上の車体で69.7%を占めていることが分かります。
30万円以上するのであれば、一般公道では高級車と言ってよろしいのではないでしょうか。
(レースの世界ではエントリークラス以下だとは思います。)
https://jbpi.or.jp/wp-content/uploads/2023/03/2022.pdf

画像引用 https://jbpi.or.jp/ 自転車国内販売動向調査 年間総括【2022年】
結論として、メインターゲットである40代、50代以降のおじさん(再び失礼)の琴線に触れるためには、権威、伝説、伝統が必要と考えます。
中国ブランドのもっとも弱いところ、そしてメインターゲットである40代、50代以降のおじさん(三たび失礼)に売るためには、この点を克服する必要があります。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。
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