ラッコ店長です。
本記事には、衝撃的、痛ましい交通事故の内容が記されています。
苦手な方はお読みにならないでください。
本記事は

の続きです。
天井を見続ける
動く担架に載せられ、仰向けになったまま、次から次へとドアが開いていきました。
まるで映画のように、天井の風景だけがずんずんと変わって、右に曲がり、左に曲がり、ドアがウィーン!!と開き、どこか広い部屋に連れて行かれました。
その担架から、治療台に移動させられたのですが、これがとんでもない痛みで、もちろん自力では移動することができません。
何人もの方に抱えられて、移動しました。
痛みのため、左向きになったままでした。
最初の治療台の周囲には、ズラリと10人以上の方がいたように思われました。
奇妙な質問
まず、ここがどこか分かりますか、と質問を受けました。
私は大分県の出身ではないため、ここがどこなのか分かりませんでした。
そもそも、ヘリコプターで来たため、どの場所なのか、どの病院なのかは全く分かりませんでした。
そこで、「病院だと思います」と答えました。
次に、私たちが誰か分かりますか、と質問を受けました。
この質問は3秒くらい迷いました。
正直申して、それぞれの方が医師なのか、看護師さんなのか、そうではないのか、私には分かるはずもない。
質問が悪くないか?とほんの思いましたが、怒っても不毛なだけであるため、「お医者さんとか、医療関係の方々だと思います」とお答えしました。
この2つの返答に、皆さん、ある程度安心したようで、場の空気といいますか、緊張レベルが少し下がったのを感じました。
(後に理解できましたが、この2つの質問に答えられない方も多いのです。
病院に運ばれているにもかかわらず、分からない、自分の家だ、と答える方がいたのを、私は救命救急センター内で拝見しています。)
Aライン
複数の看護師さん、医師の方が、Aライン、Aラインと言い、何回か挑戦したようですが、うまく設置できなかったようです。
後に看護師さんに教えてもらいましたが、Aラインとは動脈に設置する点滴のようなもので、これがあれば採血をする必要がない、とのことでありました。
私の動脈にはどうにも設置しづらかったようです。
数時間後、個室に移動した後、何人もの方が挑戦をして、それでもうまくできず、ある医師の方が入院初日だし、ひとまずいいよ、とおっしゃり、先送りになりました。
(結局、退院までAラインというものを設置せず、私は救命救急センターにいた間は毎朝採血をされておりました)
縫合 教官と研修生
まず、右胸をさらに縫いました。
救急車内でも縫っていたはずですが、また縫うの!?と思いました。
今までの人生で、ここまで大人数の人に囲まれて施術されたことがないため、激痛で悶えておりましたものの、ちょっと新鮮な気分でした。
自分がザグザク縫われている場面を直視するのがためらわれたため、目を閉じていました。
どうやら男性の教官のような方が、部下!?(大変失礼)の方に指示を出して、私を縫い縫いしておられました。
もう少し、段差をつけて、とか教官の方がおっしゃっていたのが聞こえました。
これは、退院直前(2025年12月1日)に医師の黒澤様のご説明や、大分大学医学部付属病院さんのwebサイトを拝読して、理解できたことですが、医師の方であったとしても、救急医療の資格、研修というものがあるようです。
そのため、教官と研修医さんという組み合わせで対処することがあるようです。
私の場合も、おそらく、このような状態だったと思われます。
この施術が終わって、一旦終了!!となったのか、皆さん、さーっとどこかに去っていきました。
とりあえず、即死クラスの重症ではない、と認定されたのかもしれません。
地獄の署名
縫い縫いが終わり、まったく痛みはひかないし、むしろ激痛なくらいですが、女性の方がやってきてフォルダに固定した書類を寝台にぶっ倒れている私の眼前に見せて、サインをもらいたい、とお願いしてきました。
私はすでに命を救って頂いた状態でありますし、怒りはとくにありませんでしたが、現時点では重症患者の私に文字を書かせる!?、本気!?とは思いました。
まず、激痛で首がピクリとも上がりません。
もちろん、上半身を起こすことなど不可能。
脳自体のダメージは無いと思われましたから、日本語は十分に理解できます。
しかし、激痛で文字が霞んでよく見えません。
いえ、ほとんど読めないと言って良い。
女性の方が口頭で手短にご説明くださいました。
文句をつけようと思えば、このような短い説明、かつ患者がほとんど日本語を読解できない状態での署名なぞ、法的に無効だ、と突っぱねることはできるでしょう。
しかし、そのような不毛な争いをしたところで、私が死ぬ確率が上がるだけでしょうから、意味のない抵抗です。
投与する薬剤の合意や、治療法への合意、5万分の1、50万分の1で死んでも構わない、といった内容です。
特に異議はありません。
医療というものは、確率論的に、必ず亡くなってしまう方が出るものです。
しかし、署名の文字がほとんど書けません。
第一、どこに署名すればいいのか、その箇所すら見えないのです。
肺と背中が痛くて、痛いので署名が出来ません、もっと下に書類を移動させてくれませんか、ということすら発音できないのです。
わずかだけ首を縦に動かし、署名への賛意を表して、適当に、横棒のような線を書いて、署名と致しました。
これが何枚も何枚もあります。




拘束の同意


最後の同意書は、錯乱した場合、拘束されても構わない、というものです。
後に看護師の方、医師の方ともお話致しまたしが、長期の入院、普段とは異なる環境、救命救急センターといった戦場とも言うべき修羅場にいると、「せん妄」という精神状態になることがあるそうです。
素人的な理解では、脳というものは、極度の混乱、苦痛に直面すると、外部からの入力情報を全て遮断して自己防衛をすることがあるように思われます。
おそらくは、そのような脳の、最終防衛状態のことだろう、と思われました。
入院時の記憶がすっぽり抜けていたり、普段とは異なる行動をしてしまったり、そういうことはままあるようです。
そのような状態になったら、拘束します、良いですか、という承諾書でした。
無論、構いません。
事務的な手続きが終わったあと、さらに別室で検査が続くのでした。
本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。
その14

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