街の自転車屋はなぜ潰れないのか プロショップ閉店ラッシュとの違い / 自転車ショップ ラプソディー 19

ラッコ店長

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の続きです。

本記事は今後、小規模自転車店が生き残る道について、あれこれ妄想を書き連ねたものです。

大量絶滅の時代

まず、2024年くらいから、都内スポーツバイク店の閉店ラッシュが続いてきました。

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収益構造の違い

しかし、貴方(あなた)がお住まいのまわりを見て、しぶとく(大変失礼)営業を続けておられる自転車屋さん、というものがありませんか。

閉店ラッシュかと思いきや、営業を続けている自転車屋さんもある、この違いは何なのでしょうか?

結論から申せば、収益構造がまるで違うからです。

商売、ここでは小売店に限定致しますが、小売店にとって最大の重荷、足かせは地代、家賃、テナント費用です。

大量絶滅(凄まじく失礼)しているお店は、上記に挙げましたように、東京都丸の内、自由が丘、渋谷区表参道のそばといった、超一等地にお店を構えておられました。
私の妄想では、地代の高いこと高いこと、恐ろしいほどであったと思います。

これでは、いくら売上をあげたところで、高い地代にほとんど吸い上げられてしまって、マトモに利益が残らないでしょう。

これに対して、しぶとく生き残っているお店というのは、超一等地ではないけれども、地代の安い、それでいてギリギリお客さんは来店できる、という絶妙な場所に位置していることが多いものです。
あるいは、ご自身の持ち家、持ち物件などで、地代の支払いを無視できる、という方でしょう。

当初の目論見

しかし、地代が猛烈に高いにもかかわらず、都市部の一等地にお店を構えたのは、それなりに勝算、目論見があったからです。
地代負担を上回る、売上、利益があれば良いのです。

ところで、ロードバイクは2010年くらいから2020年くらいまで、長期的なブームが訪れていました。
ロードバイクの性能がどんどんあがり、それにもかかわらず、円高という恩恵も手伝って、ロードバイクのお買い得感が増していきました。
完成車を並べて売るだけでも、十分利益が上がる時代、場所、というものがあったのです。

特にブームは都市部で加熱しがちですから、東京のロードバイクブームはやや異様、という様相を呈しておりました。
多摩川や江戸川などのサイクリングロードには、ロードバイクが溢れかえり、都内の喫茶店に高級ロードバイクが駐輪されている、という光景も珍しいものではありませんでした。

しかし、盛り上がりがあれば、盛り下がりもあります。

ここでは詳述致しませんが、2026年、ロードバイクブームは確実に終焉しました。
ピタッとロードバイクの完成車が売れなくなりました。

こうして、完成車販売が中心のお店は、途端に苦しくなったのであります。

それなら、完成車販売以外にも、収益源を作っておけばいいのでは?というご指摘はごもっともです。

しかし、例えば修理をするとすれば、当然、修理に対応できるスタッフを育成、雇わなければいけません。

スタッフを育成するとして、スポーツバイクの修理というのはすぐに習得できるものではありません。
短くても3年は修行期間が必要です。
メカニック技術に習熟したスタッフを雇うのも楽でありません。

さらに、修理をするためには専用のスペース、工具などが必要です。
また、修理スペースというのは、うまく対応しませんと、店内がゴミゴミしがち、汚らしくなりがち、お店の高級感を損ないがちです。

このような理由で、修理までは手を広げない、車体の販売のみに注力する!!ということだったのだと推察します。

生き残るための方策

地代を減らす

以上、検討しますと、小規模な自転車屋さんが生き残るための方策が見えてきました。

まず、地代を徹底的に減らす工夫が必要です。

理想的なのは、住居兼店舗です。
地代を抑えることができるだけでなく、住居費の一部を経費計上できるため、節税対策にもなります。
極めて合理的な運用法です。

もはやこれしか生き残る方策が無いように、私には思われます。

ただ、気をつけるべきは、お客さんが店舗に来る、つまり自宅のすぐそばに来る、ということですから、プライベート領域、時間などが阻害される可能性はありましょう。

完成車の展示を減らす

店頭にならべる商品についてですが、完成車は売れません。
スポーツバイクが売れないだけでなく、いわゆるママチャリも売れません。

スポーツバイクはブームが去って売れなくなっただけ、ブームが再来する可能性はあると推察しますが、ママチャリが売れない原因はもっと深刻です。
もはや消費者さんが自転車を買うのは、ネット通販が主軸です。

リアル店舗では自転車を買わない時代になりました。

以下のようなママチャリが¥10,000代で購入できるのですから、勝負になりません。
もちろん、ネット通販の車体は粗悪品であることが多いのですが、それらを踏まえてもこの価格は驚異でしょう。



お店の方針、雰囲気づくりのために何台かは自転車を置いても良いと思いますが、およそ収益源にはならないでしょう。
台数が売れない、ということもありますが、自転車、特に高級ロードバイクというのは、薄利の商材なのです。

また、ママチャリを並べたところで、ネット通販より安く売ることができるわけもなく、単なる売場面積(ひいては地代)の無駄、としか思えません。
むしろ、Amazon等のネット通販で購入しづらい、中古車のほうが、まだ商機があると推察します。

有望な商材

車体販売以外の収益源を見つけることが重要です。
パーツやグッズの販売は。。。車体ほど薄利ではありませんが、これも売れないでしょう。
Amazonの方が品数豊富、ほとんど場合、安いのですから。

Amazonはその圧倒的な購買力でパーツを安く仕入れることができます。
もちろん、小売店でもSHIMANOなどのパーツを仕入れることはできますが、発注数が少ないため、仕入価格も高くなりがちで、定価販売にしないとほとんど利益が残らないのです。
お客さんの側からすれば、そんな内部事情、知ったことではない、ということでありまして、Amazonでパーツをお買いになるわけであります。

ぎりぎり商機があるとすれば、小売店を守るために通販を禁じているアイテム、というものがありますから、それらの商材を並べておくことです。
一部、CAT EYEのライト、各自転車ブランドの専用グッズなどが該当するでしょうか。

しかし、それすらも、機能的には同等の類似品がAmazonでいくらでも見つかるため、決定的に有利な商材とはならないでしょう。

完成車もダメ、パーツもダメとなれば、残るのは修理、イベント、コンサルティングなどです。

修理は有望な収益源です。
都内で営業していると、痛切に感じますが、自転車が生活の足、手段となっている方は数多くいらっしゃいます。
経済的な理由でクルマを所持できない、という場合もありますが、クルマがあったとしても、他の家族が利用していて自分が使うことはできない、狭い場所なのでクルマが進入できないなど、自転車が重宝される場面は多くあります。

そのような人々にとって、すぐに自転車を直すことができる、というのはとても価値のあるサービスなのです。
そして、修理の迅速性が優先されるため、多少、修理金額が高くなってもお客様は納得してくれます。
自転車の修理は、金額の大半が技術料、手間賃であるため、とても利益率の高い商品です。

さらに、自転車店としては、修理金額ができるだけ高くなる車体、お客様の側からすれば、新車に乗り換えることがためらわれる、つまり修理してでも乗り続けたいと思われる自転車があることが重要です。
これは、子乗せ電動自転車などが、当てはまるでしょう。
新車にすれば¥200,000かかるが、例えば修理代金が¥30,000でも、修理すればあと数年は延命できる、となれば、多くのお客様は修理を選択してくれます。

うむうむ。
結論が見えてきました。

小規模自転車店が生き残るための方策

小規模な自転車店が、今後生き残るためには、

1 前提として、可能な限り地代が安い、ゼロであること
2 その地域で生活している人々の移動手段が自転車であり、かつ自転車が無いと困る、という生活スタイルを送っていること
3 上記人々がある程度の数、存在していること
4 子乗せ電動自転車の利用が多い地域であること(子どもの送迎などの都合上、修理の迅速性が求められ、かつ買い替えよりも修理で費用を抑えたいという要望が高いから)
5 加点事由として、坂道の多い地域であること(坂道は自転車を損耗、故障させやすく、修理頻度が上がります)
6 加点事由として、自転車通学をする中学校、高校が近くにあること(定期的な修理、車体販売が見込めます)

以上の要件を満たす場所で、修理を中心とした営業をしていれば、勝ちは約束されたようなものです。

これに加えて、店舗独自のイベントを催行している、ロイヤリティ(忠誠心)の高いお客さんが多数存在する、なども強みになるでしょう。
さらには、フィッテング、ライディングフォームを矯正してくれる、ツーリングプランのアドバイス、立案をしてくれるといった、コンサルティング業務もできればなお良しです。

そして、街の自転車屋さんがなぜ潰れないのかは、これらの要因がうまく組み合わさっているからと考えます。




本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。

その20

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