自転車ショップ ラプソディー その14 / 妄想と現実の違い

ラッコ店長

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

本シリーズは、業務をしていて不思議に思ったことを書き連ねたものです。

妄想

本記事は、ラッコ店長が自転車屋さんになる前に、自転車屋さんに抱いていた考えと、現在の考えの違いについて述べたものです。

なお、本記事でいう「自転車屋さん」とは、スポーツバイクを専業に扱うお店のことを指します。

私も生まれた瞬間から自転車屋さんであったわけではありません。
お客さんとして自転車店を利用する時期がありました。
何台かロードバイクを持っておりましたが、いずれもアルミ、クロモリのもので、高級車とは言い難いものでした。

そんな私が妄想していたのは、高級車、最低でもカーボンフレームのロードバイクで、コンポーネントもSHIMANO105以上でないとないと店員さんに鼻で笑われる。
というものでした。

どうにも私にとってスポーツバイク店というのは猛烈に敷居が高く感ぜられ、その排他的、クラブ社会のようなものに入るための最低条件があるはずだ!!と勝手に想像しておりました。

おそらくこれは、自転車雑誌やwebの記事に、過度に影響されたからでしょう。
カーボン至上主義と、最低でもSHIMANO105を選ぶべし、というよくある論調です。

カーボンコンプレックス

今でこそカーボンロードバイク、カーボンディープリムホイールの車体も使っておりますが、アルミロードバイクに乗っていた時期が長かったためか、今だにカーボン素材に対するコンプレックスがあります。

カーボン素材を自分が使っているなんて、なんだか無理をして大学デビューしました、というような、無理をしている感の自分自身にクスッと笑ってしまうことがあるのです。

現実

実際に自転車屋さんになってみますと、車体の値段によってお客さんを区別するとか、ましてや笑うなどということは微塵もありません。

そもそも、お店にとってはお客さんが乗っている車体の値段なぞ、どうでも良いのです。

あるいは、お客さんの側としては得意満面、ご自慢のロードバイクを披露したい(大変失礼)という側面があるのもしれません。
そのため、社交辞令として、珍しいモデル、高級バイクでご来店になった場合、素晴らしいバイクですね、などといった会話をすることはあります。

しかし、お店にとっては、お店のサービスを購入、利用してくれるかが重要なのであって、お持込み頂いた車体が高級車かそうでないかは重要ではありません。

露骨に言ってしまえば、超高級車であったとしても、当店で購入してくださったわけではない車体、ほとんどお金を使ってくれないのであれば、熱烈に歓迎される。。。ことはないでしょう。

ママチャリでも対応してくれた!! バカにされない!! といったありがたいお声を頂くことがありますが、それは当然のことです。

前述しましたように、ママチャリか高級車かは問題でないからなのです。

むしろママチャリのほうが手荒に使われている事も多く、修理箇所、修理金額が増えるためお店としては歓迎なのです。

妄想 その2

バイクの知識が豊富でないと、店員さんから笑われる。

これも、私がかつて妄想していたことでした。

実際はその真逆です。
知識の無いお客さんのほうがスタッフのご説明を熱心に聞いてくれる、ご説明の過程で会話が弾むため、仲良くなりやすいのです。
お客さんとスタッフの信頼関係を築きやすく、ご成約に至る可能性が一気に高まります。

これに対して、知識ばかり振りかざすお客さんの対応は、やっかいです。

自転車屋さんといえども、世界中の知識を蓄えているわけではありません。
すべてのブランドを知っているわけではありませんし、聞いたこともないフレームメーカー、パーツメーカーというものもあります。

店員さんが知らないような知識をひけらかして、優位に立とうとするお客さんは、残念ながら歓迎されないでしょう。
個人的には、こういうお客さんは何がしたいのか、行動原理を共感できないことがあります。
自分は自転車店スタッフよりも物知りだ、あの店のスタッフはこんなことも知らなかった、とせせら笑いたいのでしょうか。

辛辣な私見

辛辣なことを申し上げます。
そもそも、インターネットがこれほど普及した時代において、表面的、表層的な知識は誰でも入手できるものです。

プロの仕事として重要なのは、表面的な情報を知らなかったとしても、何が問題になっているのか発見、分析できる能力、経験と、現実の問題に直面したときに対処できる応用力、発想力、技術力の高さです。

店員さんは、毎日何時間も、年間数百台以上のバイクを見て、触っているわけですから、得られる実践的な経験値の量、質という点において、お客さんと店員さんには隔絶とした差があるのです。

したがいまして、表面的な知識量なぞさして重要ではなく、知識の少ないお客さんを笑う、などということはありません。

つまるところ、お気兼ねなく、ご相談ください、ということなのでありました。



本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。

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