皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。
本シリーズは、業務をしていて不思議に思ったことを書き連ねたものです。
過去の記事は以下をご参照ください。














入院で読書の時間が豊富に
2025年11月6日から12月1日まで、大分大学医学部付属病院に入院しておりました。
比較的時間があったため、あれこれと自転車に関する書籍を読むことができました。
まず、自転車雑誌は消費者さんをターゲットにした書籍です。
そのため、そもそも販売店、メカニックを対象とした書籍ではありません。
ゆえに、私が販売店目線、メカニック目線であれこれと論評するのは、本来は的外れなのであります。
しかし、それでもなお、違和感を感じたため、記事と致します。
違和感
まず、書籍に取り上げられている車体の価格が、目が飛び出るほど高価です。
基本的には¥1,000,000以上はする車体が当然で、文字通りハイエンド、最上位機種がレビューや検討の対象になっています。
この時点で違和感しかありません。
自転車店に勤めておられる方で、¥1,000,000以上する車体が、月に何十台も、ばんばん売れる、というお店があるのでしょうか。
東京、新宿などの都市部で、高級路線の直営店さんであれば不可能ではないのかもしれませんが。。。
そもそも、新宿、日本橋、銀座でも良いですが、高級店が凄まじい勢いで閉店している中、それでもなお、売れ続けている店舗がこの日本に存在するのか、極めて疑問です。
販売店の成績が良くない、ということはすなわち、売れてない、ということであります。
まったく売れもしない価格帯の車体を、これしか世の中には存在しません、と言わんばかりにレビュー、対談、解説などをする。
誰のため?とツッコミを入れたくなります。
自転車雑誌では、¥500,000くらいの車体でもエントリーモデルと気軽に称しています。
すごいなあ。
この価格で入門機ですか。
私の勤めていたお店とは別世界の天国です。
うらやましい。
しかし、これは当然といえば当然です。
各ブランド、メーカーから紙面で宣伝してほしいという依頼があり、多くの場合は無償で機材を提供され、それについて記述するのです。
誰がスポンサー様の悪口を言いましょうか。
口が裂けても言えない。
ゆえに、紙面は全て礼賛記事になるのです。
奇妙で便利な言葉 乗り味
次に、自転車雑誌のレビューでは、やたら「乗り味」などといった、抽象的、主観的な印象を、さも根拠があるかのように展開しています。
もちろん、レビューなので主観が入るのは当然です。
しかし、ロードバイクは結局、ロードレースに勝利するために生まれた機材でしょう。
(この定義自体に争いがあることを理解しています)
ロードレースの結果、タイムの良し悪しなどを検討せずに、レビュアーの気色悪い「乗り味」などというもので¥1,000,000以上の車体を批評するのが笑止千万(凄まじく失礼で恐縮です)でしかありません。
自説では、ハイエンドロードバイクの性能評価においてはレースの結果が全てと考えます。
アマチュアの方であったとしても、お安いモデルとハイエンドモデルで、ご自身がレースに出場した場合、どのようにレース結果が異なると予想されるのか、異なっていたのか、その差が決定的に重要でしょう。
実際の運用
え、レースには出ない?
そうですか。
それなら極端なレースモデルは無用、走りにくい、危険なだけです。
しかし、それをま正直に言ってしまったら、スポーツバイク店で売るものが無くなってしまいます。
むぐぐ。
これまた、口が避けても言えません。
真の目的
真の目的、動機は、自分が自転車マニアであることを周囲にひけらかしたい、財力をひけらかしたいこと?
なるほど。
それならば止めはしません。
上記真の目的に加えて、運動不足が解消できそうだから、新しい趣味、世界が広がるから、という副次的な動機もありましょう。
そして、高価なハイエンドロードバイクをご購入になる方は、(私の経験では)お年がほとんど50代以上の方たちです。
正直申して、若いものには負けない、まだまだ元気、おしゃれでしょ?とアピールしたい皆様方のご心中、動機に共感できます。
皮肉な文体が続きましたが、スポーツバイク店にとって、最も太いお客さん、優良なお客さんというのはこういう方々です。
最大限、ご協力しましょう。
ハイエンドロードバイクは必ずしも走るためのものにあらず。
家や店頭に飾ったり、鑑賞する、節税対策、周囲から賛美されたいなど、購入には、様々な動機があるのです。
以下、ひけらかす場合の(皮肉でも、嫌味でもありません)ロードバイクの選び方について述べます。
高価な車体で、それが周囲に理解できること
まず価格が高く、価格の高いことが周囲に理解できる車体であることが重要です。
いくら性能が良くても、コストパフォーマンス重視!!というブランドを選んでは、自分はお金がありません、お金を節約したいんです、と邪推されかねません。
私はコストパフォーマンス重視ブランドに対して、微塵もそのようには評価しませんが、ゲスな人というものはいるものです。
仮に、貴方の周囲にそのような人がいなかったとしても、ご自身の心の中で、結局、お金が無かったんでしょと言われているような気がする、コンプレックスを感じるのであれば、それはそれでつらいロードバイク人生です。
このつらさから逃れるためには、周囲をひれ伏させるほどの価格帯のモデルを選ばざるを得ません。
そして、最高級モデル以外には、つねに二級品、セカンドグレードという負い目が生じます。
選択したブランドで最上位モデル以外は、選択肢とならないでしょう。
見栄を張るときは、最高限度の見栄を張るべきです。
そして、それが高いモデルである、と周囲も理解できる認知度、わかりやすさであることが必要です。
もちろん一般的な認知度が低くても、価格が高ければ、ご自身の自尊心を保つことはできるかもしれません。
しかし、マニアック過ぎるブランド、モデルでは、周囲からの賛美、羨望の眼差しを受けることが難しくなります。
すごいですね、かっこいいですねと、周囲から礼賛されてこそ、鼻高々というものです。
そのためには、外観から見て、ある程度のわかりやすさ、いかにも高いぞ、というオーラ、特徴が必要なのです。
ブランドイメージが良いこと
次に、ブランドイメージの良い車体が必須でしょう。
確かに、ブランドイメージというのは抽象的で、必ずしも1つの正解があるわけではありません。
しかし、それでも大多数の人、サイクリストが憧れる、すごいと思うブランド、というのは緩やかな規範として存在するものです。
性能が高いこと
そして、性能が高い車体に注力しているブランドが良いでしょう。
本来、性能とは、目的を実現するための要素で、どのような目的を設定するかに依存します。
ロードバイクの場合は、前述しましたように、レースに勝つことが第一目的です。
やはりレース向けの性能が優れている、という特徴が、高い性能と定義できましょう。
メディアへの露出度、レース実績があること
最後に、露出度、レース実績がある程度は必要でしょう。
あまりにもマニアックなブランドは、通好みすぎて、わかりにくいです。
また、いかに高性能!!と自称していても、プロのロードレースでの使用実績、勝利実績がないブランドは、本当に高性能なの!?、一級品なの!?と疑いの目を向けられかねません(世界中の多くのブランド、メーカー様に対して、凄まじく失礼な文体であることを理解しています)。
目安としては、ツール・ド・フランスに出場しているプロチームに機材提供しているブランドであることが最低条件と考えます。
第一の候補 Pinarello
これらの要件を満たすブランドと言えば。。。
第一に、Pinarello (ピナレロ)を推します。
Pinarello F9 (2026)
¥2,080,000-

画像引用 https://www.riogrande.co.jp/
まず、価格が圧倒的に高価です。
Pinarelloの良い点は、低価格帯のモデルを販売していない、ということです。
つまり、Pinarelloというだけで、一定以上の値段であることが確約されるため、安物(大変失礼)というイメージが全くありません。
そして、Pinarelloはその外観も特徴的です。
いかにも高級車、他とは違いますというフレームの形状、カラーリング、オーラを発散しています。
Pinarelloであれば、それほどロードバイクに詳しい方でなくても、すぐに高価な車体であると理解してくれるでしょう。
次に、Pinarelloは古くはツール・ド・フランス5連覇をしたミゲル・インドゥラインさんに機材提供をしておりました。
また、2010年から2019年までの10年間で、チーム・スカイはPinarelloのバイクでツール・ド・フランスを7回総合優勝という、凄まじい業績を達成しています。
さらに、2022年シクロクロス世界選手権で優勝、2024年パリオリンピックで優勝など、Pinarelloの歴史は栄光に満ちています。
これほどの業績と価格の高さも相まって、Pinarelloのイメージは極めて良好でしょう。
性能も言うまでもありません。
プロが実際に結果を出しているのですから、これが高性能と定義せずにどうしましょう。
メディアへの露出度も積極的です。
レースシーンはもちろん、雑誌等にも積極的にセンスのある広告を展開しています。
ロードバイクが好きな人間で、Pinarelloを知らない人はいないでしょう。
レース実績について、2025年の時点では世界最強ではないかもしれませんが、上述しましたように、過去、超一級の結果を出しています。
このように、ひけらかし目的でロードバイクを購入するのであれば、まっさきにPinarelloを推します。
次点 COLNAGO
次点として、COLNAGO(コルナゴ)を推します。
COLNAGO Y1Rs
¥2,286,800-

画像引用 https://www.colnago.com/
COLNAGOはPinarelloほど極端な高価格路線ではありません。
比較的手頃なロートバイクも開発、販売しています。
しかし、安価なクロスバイク、通勤用バイクなどは開発しておらず、それがロードバイク専業ブランドとしてのプレミアム感の維持に貢献しています。
要するに、高いですよ、ということがわかりやすいです。
外観もスラッとしたモデルが多く、ダウンチューブロゴの太さ、大きさも目立ちますから、誰もがすぐにCOLNAGO、高いロードバイクと気づいてくれます。
ところで、私の個人的な見解では、過去のCOLNAGOのブランドイメージは微妙なものでした。
確かに伝統のあるブランドでありましたが、最新のエアロ技術、開発競争に追いついていけない死に体(凄まじく失礼)のブランドに過ぎないと酷評しておりました。
しかし、COLNAGOは長年の家族経営から、2020年にUAE(アラブ首長国連邦)の投資ファンドに買収されました。
それが猛烈に追い風、体質改善に繋がったのではないか・・・と邪推します。
矢継ぎ早に現代的なエアロロードバイクを開発、発表し、ブランド創設から悲願であったツール・ド・フランス総合優勝を果たしました。
私個人は、2020年以降のCOLNAGOは別物、猛烈に印象が良いです。
かつてのCOLNAGOは単純なレース性能よりも美しさ、伝統工芸品といった印象のあるブランドでした。
しかし、現在のCOLNAGOは違います。
明確に性能追求を目指してきました。
また、メディアへの露出度という点では、2025年現在では、COLNAGOが世界一だと思います。
COLNAGOの車体はタデイ・ポガチャルさんによって、ツール・ド・フランス4回優勝、さらには2026年には6回優勝を期待されています。
COLNAGO復活という強烈な印象を与えています。
COLNAGOにしておけば、今日から貴方もヒルクライムマスター。
タデイ・ポガチャルごっこができます。
少なとも後悔することはないでしょう。
三番目 Cervélo
三番目には、Cervélo(サーヴェロ)を推します。
Cervélo S5 Dura-Ace Di2
¥2,299,000-

画像引用 https://www.cervelo.com/
こちらも高級ブランドとして確立しておりますし、ブランドイメージも良好、レース実績も文句無しです。
露出度という点では、Cervéloに乗ったヨナス・ヴィンゲゴーさんが2022年、2023年にツール・ド・フランス総合優勝、2024年、2025年は準優勝と、COLNAGOに次ぐメディアへの露出度と思われます。
四番目、五番目 S-WORKS、CANYON
四番目、五番目には、S-WORKS、CANYONを推します。
両社とも、科学マシーン、戦闘マシーンという印象の強いブランドです。
見せびらかすという遊び心に、ぴったり寄り添うマシンではないかも。。。しれません。
しかし、レース向け性能の高さは指折りです。
また、両社とも結果として高価になっただけで、最初から音を釣り上げようとするブランドではありません。
S-WORKS、CANYONも素晴らしい車体ですから、購入して後悔する、ということはないでしょう。
S-WORKS TARMAC SL8 – SRAM RED AXS
¥1,848,000

画像引用 https://www.specialized-onlinestore.jp/
CANYON Aeroad CFR Tensor
¥1,709,000

画像引用 https://www.canyon.com/
補足 GIANT、MERIDA
なお!!
私個人は長年GIANTを主力とするお店で販売、修理を続けておりました。
GIANT車体は各種レースでも世界トップクラスの成績を残しておりますし、その性能の高さ、コストパフォーマンスの高さは誰もが認めるところでしょう。
また、幅広いラインナップがあることも特徴です。
私自身もGIANTはカーボンロードバイク1台、グラベルバイク1台、小径車1台、MTB1台を所持しています。
確かに、日本国内で見せびらしていい気になる、という観点からはGIANTが弱いのは否定しません。
しかし、真にアマチュアとしての結果しか求めないという現実主義者の方であれば、GIANT、あるいはMERIDAという選択は十分にありえます。
ラッコ店長はMERIDA車体も2台所有しています。
そもそも、本稿で述べたブランド批評は、見せびらかす、ちょっと自慢したい、すごいと思われたい、という観点からのもので、アマチュアの方の出力、乗車技術からすれば、実はもっと適しているブランド、モデルが多数あります。
KhodaaBloomさんなどはその好例と言えましょう。
また、本文では、自転車雑誌さんに厳しい論調で記述した箇所がありますが、私は2025年12月からサイクルスポーツさんの定期購読を開始しました。
今後も続けて読んでみたいと思ったからです。
バイシクルクラブさんもバックナンバー含めて可能な限り読ませて頂きました。
両紙とも私が少年の頃から存じ上げておりましたし、二社様のお立場を理解しているつもりです。
その16

本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長でした。


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